富士通のタブレット「ARROWS Tab Wi-Fi」シリーズに、Android 4.0を搭載する最新モデル「ARROWS Tab Wi-Fi FAR70B」が登場した。
先代機のウリだった防水仕様を継承しつつ、防塵仕様を加えて、フルHDを超える高解像度液晶ディスプレイ、大容量バッテリーも搭載したうえ、ボディをより薄型軽量に仕上げるなど、基本仕様を大幅にグレードアップしているのが特徴だ。
さらに、独自開発の専用LSIとソフトウェア技術を組み合わせた「HCE」(ヒューマンセントリックエンジン)を採用し、使い勝手を高める数々の機能まで盛り込んだ意欲作となっている。
今回は2013年2月15日の発売に先駆けて実機を入手できたので、早速その進化を追っていこう。
デザインイメージは、2012年1月に発売された先代機の「ARROWS Tab Wi-Fi FAR75A/FAR70A」を引き継いでおり、一見して防水仕様を連想させるスポーティなフォルムと、エレガントさを感じさせる表面仕上げが特徴だ。
裏面はラメの入った光沢あるホワイトで、表面にはきめ細かいヘアライン加工が施されている。液晶ディスプレイのフレーム部分の光沢ブラックにもラメを入れており、なかなか華やかなイメージだ。裏面のアウトカメラ周囲のクリア部分の奥にもラメを敷き詰めるなど、細部まで丁寧に処理されている。
ただし、裏面も光沢仕上げのため、指紋が付きやすく(見た目にはそれほど目立たないが)、ツルツルとした感触は好みが分かれるかもしれない。
ボディは端子のキャップをしっかりと閉じた状態で、JIS規格(JISC0920)における防水/防塵仕様を満たす。防水性能は、従来のIPX5/IPX7相当から、IPX5/IPX8相当にグレードアップした。さらに先代機では未対応だったIP5X相当の防塵性能も加わっている。
その内容は別表にまとめた。水に沈めた状態で使えるわけではないが、バスルームやキッチン、屋外の運動場など、水滴や砂がかかったり、誤って水中に落としてしまう可能性がある場所でも、安心して使えるだろう。
防水性/防塵性規格の内容 | |
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IPX5 | 内径6.3ミリの注水ノズルを使用し、約3メートルの距離から12.5リットル/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても、タブレットとしての機能を有する |
IPX7 | 常温で水道水、かつ静水の水深1メートルのところに本機を沈め、約30分間放置後に取り出したときにタブレットとしての機能を有する |
IPX8 | 常温で水道水、かつ静水の水深1.5メートルのところに静かに沈め、約30分間放置後に取り出したときにタブレットとしての機能を有する |
IP5X | 直径75マイクロメートル以下の塵埃(じんあい)が入った装置に8時間入れてかくはんさせ、取り出したときにタブレットの機能を有し、かつ安全性を維持する |
なお、バスルームでの使用に際しては、富士通のWebサイトに注意事項が記載されているので、内容を以下に引用しておく。これを見るとずいぶん制限が多いと感じるかもしれないが、よく読めば当然のことでもある。おそらくこれは先代モデルのユーザーからのフィードバックを反映したものだろう。このような具体的な記載があること自体、それだけバスルームでの利用を現実的なものとして想定している証拠で、むしろ心強いといえる。
ボディのサイズは、横位置で259(幅)×169(高さ)×9.9(厚さ)ミリ、重量は約589グラムだ。実測の重量は588グラムと、ほぼ公称値通りだった。このサイズは、先代機に比べると、幅が3ミリ、高さが12ミリ、厚さが1.4ミリ短く、重量は100グラム軽い。
最近の10型クラスの液晶ディスプレイを搭載したタブレットとしては、薄さ、軽さともに目立つほどではないものの、十分軽量な部類に入る。
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