世界最大級の総合IT技術見本市「CeBIT 2013」が、現時時間の明日3月5日からドイツのハノーバーで始まる。これまでなら、前日にASUSやMSIなどの台湾PCベンダーが、展示ブースの事前公開や製品説明会を行っていたが、CeBIT 2013では、Microsoftが展示ブースの事前公開を兼ねた説明会を行った。
説明会では、従来ソフトウェアベンダーだったMicrosoftが、いまでは、ソフトウェアに加えてサービスとハードウェアも提供する企業となったと述べ、彼らの新しい開発思想は、技術よりユーザーを優先すると説明する。その“開発思想”をうけて、MicrosoftはCeBIT 2013のメインテーマとして「Human Touch」を掲げているが、これは、ユーザーのデータやサービス、そして、デバイスを柔軟な方法で利用できることを目的とする。
Microsoftは、タッチ操作を取り入れたユーザーインタフェースを複数のOSやコンソールゲーム機に取り入れることで、スマートフォンからPC、タブレットデバイスと、幅広いデバイスで同じような操作が可能になるとしている。また、複数のデバイス向けに同じアプリケーションを用意することで、共通の利用環境が実現して、ユーザーはデバイスの違いを意識することなく自分の行いたいことができるようになると訴求する。
続いて、クラウドで提供するサービスとして、Office 365を取り上げ、企業への導入が進んでいる実例を紹介した。説明会では、Office 365を導入した主な企業のリストを紹介し、その中には、サンリオも含まれている。Microsoftは、Office 365の推奨プランにおいて、「Office 365 Small Business Premium」と「Office 365 Midsize Business」を提供しているが、どちらも、クラウドベースを利用することで導入した企業のスタッフにおける生産性が向上しているとMicrosoftは主張する。
ドイツテレコムは、CeBIT 2013にあわせてマーケットプレイスでOffice 365の提供を開始したが、その理由について、中小規模のビジネスユーザーがクラウドサービスを利用するメリットを理解するようになってきた“意識変化”を挙げている。さらに、Microsoftと協力関係を持つことで、ユーザーに最も効果的なソリューションも提供できると述べている。ドイツテレコムは、Office 365などのクラウドサービスの導入によって、コストが50パーセント削減できた一方で、生産効率が55パーセント向上したという調査会社のデータを示している。
説明会では、ドイツでも発表があったSurface Windows Proも紹介している。Microsoftは、「Windows 8の登場に伴って登場した、新しいさまざまな方式のコンバーチブルデバイスに追加する新しいカテゴリーのデバイス」とSurface Windows 8 Proを位置づけ、ドイツでは初めて公開する機会となったCeBIT 2013で、ユーザーに新しい柔軟な携帯利用の可能性を示すと述べている。また、Windows 8については、「ready for business」という言葉で、簡単な接続性と強力なセキュリティ機能、そして、管理機能の導入などで企業向けにも十分利用できることを訴求した。
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