ついに日本で発売される「Surface RT」の可能性本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/2 ページ)

» 2013年03月08日 18時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

アップルストア銀座を見下ろす広告でアピールする「Surface RT」

米国で「Windows 8」と「Surface RT」の発売を待つ2012年10月25日の夜10時前(現地時間)。タイムズスクエアに期間限定でオープンしたMicrosoft Storeニューヨーク店の前は、黒山の人だかりだった

 Windows 8の発表とともに、米ニューヨーク市マンハッタン・タイムズスクエアの仮説店舗で、Microsoftが初めての独自パーソナルコンピュータ「Surface RT」の深夜発売イベントを大々的に開催したのは、2012年10月下旬のことだ。

 週末のタイムズスクエアで道路をせき止め、デジタルサイネージはWindows 8とSurfaceのプロモーション映像で埋め尽くされた。隣り合うビルのサイネージまでがつながる手の込んだ演出は、その場にいたすべての人たちに「すごい!」と思わせるに十分なインパクトを持っていた。そのときの様子は現地でリポートした通りだ

 長蛇の列が作られたタイムズスクエアの店舗は2012年いっぱいで閉じられ、現在はM&Mチョコレートのアンテナショップが同じ場所を占有している。当初は店頭在庫を売り切ってしまい、Microsoft直営店、インターネット直販ともに好調だったようだが、昨今は新たな話題を作れずにいた、というのが現実かもしれない。

 しかし、こうしたビジネスの動向と製品そのものの評価は別の話だ。MicrosoftがSurface RTをいよいよ日本国内にも投入するとなれば、実際の使い勝手はどのようなものかと興味を持つ読者も少なくないと思う。

 日本マイクロソフトは2013年3月1日にSurface RTを国内販売すると発表したが、それに先立つ2月25日からアップルストア銀座を出た目の前に広がる松屋銀座の壁いっぱいに、Surfaceの広告を描き出し、日本へのSurface RT投入をアピールしている。

Surface RTは10.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載したWindows RTタブレット(写真=左)。アップルストア銀座の正面にある松屋銀座では、巨大なSurfaceの広告を掲示している(写真=右)

 ここでは3月15日の国内販売開始を控え、まだSurface RTをよく知らない読者向けに、製品そのもののレビューを改めてお届けしたい。

「Surface RT」の主な仕様
OS Windows RT(Windowsストアから入手できるアプリでのみ動作)
本体サイズ 275(幅)×172(高さ)×9(厚さ)ミリ
重量 約675グラム
CPU NVIDIA Tegra 3(クアッドコア)
メモリ 2Gバイト
ストレージ 32バイト/64Gバイト
液晶ディスプレイ 10.6型ワイド(1366×768ドット)
タッチパネル 5点マルチタッチ(表面ガラスはCorning Gorilla Glass 2.0)
外部インタフェース USB 2.0×1、HDビデオ出力(Micro HDMI)×1、microSDXCカードスロット×1、ヘッドフォン×1
通信機能 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n)、Bluetooth 4.0
バッテリー駆動時間 最大約8時間
カメラ 720p対応HDカメラ(イン/アウト)
マイク ステレオマイク内蔵
スピーカー ステレオスピーカー内蔵
センサー 光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス
標準搭載アプリ Office 2013 RT(Word、PowerPoint、Excel、OneNote)、Windows メール、メッセージング、SkyDrive、Internet Explorer 10、Bing、Xboxミュージック、Xboxビデオ、Xbox ゲーム
参考価格 32Gバイト:4万9800円、64Gバイト:5万7800円、32Gバイト+タッチカバー(ブラック)モデル:5万7800円、64Gバイト+タッチカバー(ブラック)モデル:6万5800円
オプション(参考価格) タッチカバー(3色/各色9980円)、タイプカバー(1万980円)、24ワット電源アダプタ(3980円)、VGAアダプタ(3980円)、HD デジタルAVアダプタ(3980円)

なめてかかると、意外に高レスポンスなSurface RT

 まず簡単にハードウェアの評価から始めよう。

 筆者はSurface RTをニューヨークでの発売時に購入しており、その評価をもとにこのレビューを書いている。Surface RTにはオプションのキーボードカバーが2種類用意されているが、その両方を購入して使用した。キーレイアウトは英語だが、OSはあらかじめ日本語に対応しており、キーボードも日本語版とタッチや重さなどに違いはない。

オプションで用意される2種類のキーボードカバー。感圧式キーボードを搭載した厚さ約3ミリの「タッチカバー」(写真=左)。ハードウェアキーボードを備えた厚さ約6ミリの「タイプカバー」(写真=右)。国内モデルの製品版はキーボードが日本語仕様になる

 筆者個人の印象はとてもいい。NVIDIA Tegra 3のCortex A9クアッドコア(シングルコア1.4GHz/クアッドコア1.3GHz)というスペックは、いまやスマートフォンとしても上位モデルなら珍しくはない。それどころか、これから登場してくる新しいスマートフォンには、絶対的なパフォーマンスで負けてしまうかもしれない。

 つまり、「(処理能力という観点で)高性能か?」と問われれば「ノー」と言わざるを得ないのだが、Surface RTはユーザーの操作に対する反応が良好で、タッチパネル操作への画面書き換えなどの追従性はとてもいい。

SamsungのWindows RTタブレット「ATIVE Tab」

 これは、例えばQualcomm Snapdragon S4のKraitデュアルコア1.5GHzを搭載するSamsungのWindows RTタブレット「ATIVE Tab」でも同様だったことを考えると、Windows RTそのものに、操作に対する応答を最優先したチューニングが施されているのだろう。また、Microsoftは徹底してメモリ消費を減らすチューニングをしたとのことで、そうした面もSurface RTの印象を高めることにつながっているのかもしれない。

 タブレットで「フル機能のWindowsが動作する」と言うと、重ったるい動きを想像するかもしれないが、同じWindowsタブレットならば、Windows 7時代のIntelプロセッサを用いた(絶対的なパフォーマンスでは勝る)タブレットのほうが、操作に対する応答性は悪かったぐらいだ。

 2Gバイトの搭載メモリだが、プリインストールのアプリやWindowsストアからWindows 8/RT用アプリをダウンロードし、一般的なタブレット端末としての使い方をこなすうえで、性能不足を感じることはあまりない。

 ただし、性能のチューニングや操作に対する応答の優先制御などを徹底追求した結果であり、絶対的な性能は決して高いわけではない。

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