前回、前々回と2回に渡って「Surface RT」に標準で搭載するオフィススイート「Office 2013 RT」をチェックしてきた。
Office 2013 RTはOSに標準で付属しているが、これはSurface RTをはじめとするWindows RTマシンがx86/x64用に開発されたWindows用アプリ(マイクロソフトは「デスクトップアプリケーション」と呼んでいる)やデバイスドライバと互換性がないことに起因する。フル版のOffice 2013はWindows RTマシンでは利用できないのだ。ユーザーが利用可能なアプリは、Windows RT対応のWindowsストアアプリに限られる。
よって、Windows RT対応アプリがSurface RTの使い勝手を左右する。Windows 8リリース以降、マイクロソフトもWindows 8/RT向けアプリのラインアップを増やそうと、アプリの開発コンテストなどさまざまな施策を行っているが、今回はWindows RT対応アプリが現状でどれだけ充実しているのか調べてみよう。
Surface RTはWindowsメール、カレンダー、メッセージング(チャット)、フォト、SkyDrive、Internet Explorer 10、Bing、Xboxミュージック、Xboxビデオ、Xboxゲーム、そしてOffice 2013 RTを標準でプリインストールしており、これ以外のアプリはMicrosoft版のオンラインアプリストア「Windowsストア」からダウンロードする。
Windowsストアでは、アップルが提供するApp Storeと同じようにアプリがジャンル別に分かれており、それぞれのジャンルの人気アプリや新着アプリを一覧できる。人気アプリを選択すると、最大100個のアプリが出てくるが、App StoreやGoogle Playと異なり順位を記載していないため、どれが人気か分かりにくい。
ストアのラインアップは、App StoreやGoogle Playと大きく異なるが、「LINE」や「Twitter」といったソーシャルアプリや、「Evernote」や「Dropbox」などのクラウド系サービス、「クックパッド」や「HOT PEPPERグルメ」といった料理や店探しのアプリなど“超定番”のアプリはそろいつつある。
ただし、公式の「Facebook」アプリや「Googleマップ」など重要と思われるものでも提供されていない場合があり、アプリのデキ自体もまちまちだ(Webブラウザからサービスを利用する手はある)。特にゲーム系アプリのラインアップは弱い印象を受けた。個人的にはApp StoreやGoogle Playで盛り上がっているソーシャルゲームなどもあると、さらに楽しめそうだと感じた。
なお、WindowsストアアプリにはWindows 8のみに対応し、Windows RTでは動作しないアプリもあるので注意が必要だ。既にWindows/Android/iOSすべてのバージョンがあるようなメジャーなタイトルであっても、Windows RTでは使えないアプリもある。例えば乗換案内アプリの「乗換NAVITIME」はWindows RTでも使えるが、「駅すぱあとPersonal」はWindows RTに対応しない(Windows 8でしか使えない)といった具合だ。
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