「PCのデフレは終わった、価格勝負以外の需要創造を」――今後のPC販売動向はどうなる?タッチ&Ultrabookの普及、そして円安(2/2 ページ)

» 2013年07月10日 21時30分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Ultrabookはソニーが独走するも、普及率は足踏み

photo Ultrabook市場は順調に拡大しているが、10%を超えたあたりで足踏み状態にある

 PCの単価上昇は、比較的単価が高いUltrabookの販売数が伸びたことも要因という。2011年11月にASUSTeK Computerが「ZENBOOK」を発売して以降、順調に売り上げを伸ばし、2013年6月においては販売台数ベースで全ノートPCの10.2%を占めるまでに市場が成長した。しかし、2013年に入ってからはシェアの増加傾向は鈍っている。

 Ultrabookの平均単価は国内メーカー製品が約10万円、海外メーカーが約6〜8万円となっている。メーカー別の売り上げは、2013年6月時点でソニーがトップとなった。2位、3位には東芝とASUSTeK Computerが続く。「Officeやタッチパネルを搭載しているぶん、国内メーカーの製品単価は高いが、それでもユーザーに買ってもらえる。とはいえ全体で10%程度なので、PC市場をけん引する存在となるにはまだまだ時間がかかりそうだ」と森氏は述べた。

 タブレット市場については、変わらず市場規模は拡大しているものの、さらなる拡大には「アップルとASUS以外のメーカーがヒット商品を出すことが不可欠」(森氏)という。アップルは2013年5月末に行われたiPadの価格改定で販売台数が落ち込んだものの、他製品の販売台数が伸びなかった。タブレットのメーカー別シェア(2013年6月時点)は1位がアップルで53.9%、2位がASUSで24.5%、3位がソニーの5.6%と続く。4位は安価なAndroidタブレットを数多く投入した恵安(2.6%)となっている。

photophoto Ultrabookのメーカー別シェアと平均単価(写真=左)。タブレットのメーカー別シェア(写真=右)。アップルがiPadの価格改定を行ってから、アップルのシェアは大きく落ち込んでいる
photo 道越氏は、販売動向を総括しつつ今後のデジタル機器が進むべき方向を提言した

 これらの販売動向を総括し、道越氏は「価格を下げて需要を喚起する手法ではもう戦えない。これからは単なる機能の追加ではなく、各機能がどのような価値を生むかを考え、アピールする必要がある」と指摘。変化する消費者の生活スタイルに合わせ、ユーザーにとっての価値を再定義するとともに、「革新的な製品へのチャレンジが不可欠」だとアピールした。

 同発表会では、薄型テレビの販売動向についても大きく取り上げた。それについては下記の記事を参照してほしい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー