Evernoteはアプリの枠を超えて100年スタートアップ企業を目指すくつしたほしい

» 2013年10月01日 21時50分 公開
[ITmedia]
Evernote Corporation CEOのフィル・リービン氏。EC3が終わってすぐ日本へ発ったという

 Evernoteは10月1日、新サービスの「Evernote Market」などに関する国内説明会を開催した。同サービスが北米および日本に限定してスタートすることからも分かるように、同社にとって日本は重要な市場に位置づけられている。説明会では、EvernoteのCEOであるフィル・リービン氏が来日し、新サービスの概要と今後同社が向かうべき方向性について語った。

 Evernoteは「すべてを記憶する」をコンセプトに、“外部の脳”によっていつでも情報を引き出し、情報を活用するためのクラウドサービスを提供している企業だ。現在同社は、世界に10のオフィスをかまえ、7500万人のユーザーを抱えている。

100年企業を目指すEvernote。現在5年目を迎える

 リービン氏は「Evernoteは100年続くスタートアップ企業を目指して、世界中の人たちに、よりスマートな生活を送るためのサービスを提供していく。そのためにはただアプリを提供するだけでなく、その先にあるものを目指したい」と述べ、ハードウェアパートナーとの協業により従来のアプリビジネスを超えた分野へ取り組む方針を示した。

 具体的にはEvernote Marketを立ち上げ、パートナー企業とコラボレーションした「Evernote Edition」シリーズの販売を開始。同ストアにはAdonit製スタイラスペン「Jot Script Evernote Edition スタイラスペン」や、PFUのドキュメントスキャナ「ScanSnap Evernote Edition」、Moleskineの「Evernoteスケッチブック」、Evernoteと連携してメモの検索・共有を可能にする「ポスト・イットノート」、abrAsusの「Evernote ひらく PCバッグ」など、さまざまな製品が同社のコーポレートカラーであるグリーンとグレーを取り入れたオリジナルデザインで並ぶ。

Evernoteのデザインを取り入れた周辺機器やグッズを販売する「Evernote Market」(写真=左)。ピクセルポイント技術を採用し、精密なペン先でiPadに手書きできるAdonitの「Jot Script Evernote Edition スタイラスペン」(写真=右)

110年の歴史を持つ老舗企業、3Mとの協業により「ポスト・イットノート」との連携を実現。Evernoteアプリの「ポスト・イットノートカメラ」機能を使って簡単にメモをデジタル化できる。4色のカラーバリエーションがあり、メモ、To Doリスト、リマインダーというように、色ごとにカテゴリ分けが可能(写真=左)。定番ドキュメントスキャナ「ScanSnap」にもEvernote Edtionが登場(写真=右)

2012年から協業しているMoleskineは、「Evernoteクラシックノートブック」と「Evernoteジャーナル」に加えて、厚手の紙を用いた「Evernoteスケッチブック」もEvernote Marketで販売(写真=左)。abrAsusブランドを展開するバリューイノベーション代表取締役の南和繁氏もかけつけ「Evernote ひらく PCバッグ」を紹介(写真=右)

 ポスト・イットノートを販売する老舗企業である3Mのジェシー・シン氏は、「究極にシンプルかつ無限の可能性を持つポスト・イットは、アナログのやり方で人の考えをとらえるのにベストの製品」と紹介しつつ「その一方で、メモをデジタル環境で検索し、共有したいというニーズがある。今回の(Evernoteとの)パートナーシップをうれしく思っている」と歓迎。ドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズで知られるPFUの長谷川社長も「今回Evernoteと共同開発する中で、機能をたくさん盛り込むよりも、よりシンプルにユーザーがしたいことにフォーカスしていくことが使い勝手につながると学んだ。(Evernote Editionは)紙とデジタルをどうやってつなげるのかを実現した。実際に使えばEvernoteユーザーのみなさんのために作った製品だということを実感できるはず」と応援した。

3Mステーショナリー&オフィスサプライ事業部担当副社長兼事業部長のジェシー・シン(Jesse Singh)氏(写真=左)。PFU代表取締役社長の長谷川清氏

 最後にリービン氏は、パートナーと協業していく中で、ハードとソフトの統合やシンプルなデザイン重要性、小さなディティールへのこだわり、プロセスの最適化などさまざまなことを学ぶことができたとし、「今は100年の旅の5年目。私たちにはまだやらなければならない仕事は多い。これから続く95年間も応援してほしい」と結んだ。

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