もう1社、オムロンについても、同様に計算ツールを使ってUPSを探してみよう。こちらは計算ツールの選択肢が若干異なっていて、バックアップ時間も入力できるので、ひとまず「5分」を選択。電源容量はVAとWのどちらでも入力できるが、今回は「201〜300W」を選んだ後、電圧は「100V」を指定して検索を実行する。
リストアップされたのは3製品あるが、このうち「BX35F」は製品ページを見ると、バックアップ運転時に矩形波となるため、PCなどに利用されるPFC電源には使用できない旨が記載されている。リスクを避けるためここは除外し、残る2製品のうち安価な「BY80S」が最も適した製品ということになる。
この製品は前述のAPC製品のラインインタラクティブ方式と違って常時商用給電方式だが、正弦波なのでPFC電源でも問題なく利用でき、実売価格も3万円台とリーズナブルだ。バックアップ時間も、製品ページのPDFを見る限りでは300Wで9分、若干余裕を見た400Wでも6分ということで十分だ。コンセントの数は4つということで前述のAPC RS 1000と同じだが、本体サイズはこちらのほうがひとまわり小さいのも利点だろう。
ここまでは稼働時間5〜10分という条件に適したUPSを検索してきたが、もっと長時間、例えば1時間は持たせたい場合はどうなるだろうか。
オムロンの計算ツールがちょうど時間の条件も入力できるので、こちらで時間の条件を「1時間」に変えて再計算してみよう。おすすめの機器として3製品がリストアップされるが、価格帯は20万円クラスと、さきほどの数倍になる。機器構成も、UPSにバッテリーユニットを増設する場合が出てくる。
ひとまず標準価格を優先すると、ここでの選択肢はラインインタラクティブ方式の「BN220S」となる。製品ページのPDFを見る限りでは300Wで88分、若干余裕を見た400Wでも64分ということで、1時間は稼働させたいというニーズには合致している。残る2製品もほぼ同等の稼働時間だが、これらは常時インバータ給電方式ということで、SOHOレベルではややオーバースペックすぎる感はなくはない。
以上、SOHO環境に適したUPSを選定する手順をお届けした。次回は接続する機器の台数がもう少し多い、中小企業のオフィスを想定した環境でのおすすめUPSをチェックしていきたい。
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