さらに進化した冷却機構をハイエンドWSに導入──レノボ「ThinkStation P900/P700」を発表“エアーバッフル”で空冷強化(2/2 ページ)

» 2014年11月06日 18時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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高い処理能力と静音性能のために必要な冷却機構

 レノボでは、デスクトップワークステーションで重要な要素として「故障率の低減」「容易な保守性」「処理能力」「静音」「構成の自由度と拡張性」を挙げ、それぞれに、堅牢性や熱からの保護、簡単なパーツ交換、ノイズ低減が必要と説いた。

 その上で、レノボ・ジャパンでは堅牢性を持たせるための工場出荷時の落下衝撃試験、温度衝撃試験などを行い、第三者調査において競合製品と比べて導入後3年間の平均故障対応率が低いことや、熱からの保護と静音では、CPUだけでなくHDDの冷却を重視することでパーツ寿命が21%延びること、そのためにHDDのシステムボードを重点的に冷却する配置と外気流路の工夫や、HDD、電源ユニット、CPU、GPU、メモリのそれぞれを風向を定め風速も上がる「ハニカム構造のベゼルメッシュ」を組み込んだボディ前面から取り込んだ外気で直接冷却する「Tri-Chaneelクーリング」を導入してきたことを紹介した。

レノボがデスクトップワークステーションに必須と考える要素と(写真=左)、その実現に取り入れた取り組み(写真=右)

その取り組みのおかげで、導入後3年間の平均故障対応率は競合製品と比べて低い(写真=左)。レノボが静音実現と冷却効率向上のために取り入れてきた独自技術(写真=右)

 P900とP700では、Tri-Channelクーリングの冷却効率をさらに向上するため、2基実装したCPUの冷却のためにダクト上の「エアーバッフル」を導入し、PCケース内部のファンも3基に減らしてノイズの低減を図った。また、工具なしで取り外しが可能な部分を電源ユニット以外にドライブベイ、ケースファン、拡張カードホルダまで広げ、ドライブベイでは、PCケース内部のエアフローを阻害しないようにケーブルを使わない「HDD Connector」によるカセット式を採用した。

レノボが独自に開発した「Tri-Chaneel クーリング」では、外気をPCケース内部で循環して冷却するのではなく、冷却する場所に直接流して排出する(写真=左)。今回新たに導入した「エアーバッフル方式」では、ダクト形状の「エアーバッフル」を組み込むことで、空冷効率をさらに向上させた(写真=右)

エアーバッフルの内部は、ただのダクトではなくて複雑な形状になっている。これで特に冷却が必要なCPUなどの局部に大量の外気を当てることが可能になる

 拡張性では、P700でユーザーの利用状況に合わせて適切な電源ユニットを選択できるように850ワット、650ワット、490ワットを用意しただけでなく、P500とも共有できるようにしている(P900の電源ユニットは1300ワット)。さらに、5.25インチオープンドライブベイでは、光学ドライブ以外に交換式の「FLEXモジュール」をオプションで用意して、IEEE1394やeSATAなどの各種インタフェースを搭載できるようにした。

新しいPCケースでは電源ユニット以外にも工具なしで取り外せるパーツが増えた。稼働する部分には赤いラインを入れて分かりやすくしている(写真=左)。電源ユニットも独自に開発したもので、排気用のファンを前面に向けている(写真=右)


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