ThinkPad Stackの各ユニットの状況を確認し、設定を行えるツールとして、「ThinkPad Stackアシスタント」と呼ぶWindows用、および、モバイルOS用のアプリ(無料)を用意する。
これらのアプリから、パワーバンクユニットの電池残量や充電状況の把握、HDDユニットへのアクセス、ルーターの設定、スピーカーの音量とミュートの制御などが可能だ。
出張でも個人的旅行でも、PC、スマートフォン、タブレットと、持っていく電子機器をどうするかは悩みの種だ。限られた総重量と容積の中で持って行くものを取捨選択することになる。このようなときに、ThinkPad Stackは便利だ。ThinkPad Stackなら、出張の目的や行動予定、状況に合わせて持って行くものを選べる。周辺機器の種類や数が増えていくと、ACアダプタやUSBケーブルの数も増えるが、ThinkPad Stackなら、ACアダプタは付属する1つでシリーズすべての周辺機器が利用できる。
普段のオフィスでも、コンパクトに積み上がるThinkPad Stackのスタイルは役に立つ。机の周りにごろごろと周辺機器が増えてくるとコンセントがごちゃごちゃとしてしまいかねないが、ThinkPad Stackを使えば、各種周辺機器のサイズがそろっていてコンパクトに収まるので、デスク上の面積を取らずに済む。ACアダプタやUSBケーブルも最小限になる。
ThinkPad Stackは、タブレット、スマートフォンといったモバイルOSを導入するデバイスとの連携でも活躍する。PCから同様に、ルーターユニットを無線LANアクセスポイントとして利用でき、ルーターユニットの電波の届く範囲であれば、HDDユニットへのリモートアクセスも可能だ。
出先での会議で、参加メンバーにその場でパスワードやログイン方法を公開すれば、ThinkPad StackのHDDに保存しているファイルが共有できるなど、活用方法はいろいろ考えられる。
スピーカーユニットは、Bluetoothで接続して使うスピーカーとしては小型で、特に高音質というわけではないが、出張先のホテルで音楽を楽しむのには最適だ。また、携帯性を生かして、動画やサウンドを使ったプレゼンテーションでも重宝する。「ハンズフリー」の機能もあるので、スマートフォンとの接続時には、着信があったらスピーカーユニット前面のボタンで切り替えて電話を受けたり、内蔵マイクを利用した会話ができる。スピーカーユニットはバッテリー内蔵なので、ほかのユニットと切り離して自由な位置に置けるのも、意外と使い勝手をよくしている。
ThinkPad Stackを使う上で、各ユニットの電源供給関係を正しく理解しておく必要がある。特に、ルーターユニットはバッテリーを内蔵していないので注意したい。
ルーターユニットは、パワーバンクユニットから給電して動作するが、ルーターユニットを脱着してしまうと電源が切れてネットワークも切断してしまう。ルーターユニットはUSBバスパワーでも駆動可能なので、パワーバンクユニットと切り離す前にACアダプタとUSBケーブルをルーターユニットに接続すればネットワークは切断しないですむ。
なお、ThinkPad Stackでは、ユニットの固定に強力な磁石を利用する。これがカバンのなかでほかの荷物に影響を与えないか気になるところだ。ICカードの普及が進んでいるが、クレジットカードの磁気記録部は今も使われている。同じカバンの中で接近してしまわないよう注意して持ち運びたい。
ThinkPad Stackは、複数の周辺機器を使いこなすヘビーモバイラーのためのツールといえそうだ。もちろん、オフィスのデスクトップPCで使っても周辺機器がコンパクトにまとまるメリットはあるが、ThinkPadのようなノートPCとの組み合わせで使うだけではもったいない。コンパクトな周辺機器として外出先に持ち出したり、モバイルデバイスと組み合わせて使ったりしてこそ真価を発揮する。スマートフォンの充電以外にも、外部記憶としてや、無線LAN経由のインターネットアクセスなど、ThinkPadのみならず、広く多彩なモバイル端末にちょっと便利な機能を追加してくれる周辺機器群だ。
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