Windows 10のアップグレード自動化で混乱再び?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2015年11月09日 07時30分 公開

Windows 7/8.1ユーザーは注意が必要

 2015年7月29日の「Windows 10」一般公開に伴い、Windows 7〜8.1ユーザーのPCにはアップグレード予約の通知が突然現れるようになり、その設定や回避の方法について、一般ユーザーの混乱を招いたことは記憶に新しい。このアップグレード予約の通知については認知も進み、落ち着いた状況になったと言える。

 しかし、MicrosoftはWindows 10へのアップグレード手順を今後変更すると発表しており、特に2016年以降は「知らない間に、Windows 10のアップグレードが始まった(キャンセルは可能)」というケースが増えるかもしれない。

Windows 10無料アップグレード 公式ページでWindows 7/8.1からの無料アップグレード(2016年7月28日まで無料)をアピールする「Windows 10」。新OSへの移行をより強力に推進するため、MicrosoftはWindows 10へのアップグレード手順を変更してきた

 10月29日(米国時間)、米MicrosoftでWindows&デバイス部門(WDG)を率いるテリー・マイヤーソン氏は、Windows 10へのアップグレードに関するポリシー変更について、公式ブログで発表した。

 今回の新しい新トピックは次の4つだ。

  1. 「Windows 10へのアップグレード」を予約すると、すぐにアップグレードが開始される
  2. 「Windows 10へのアップグレード」がWindows Updateにおける「オプションの更新プログラム」扱いとなり、これが2016年には「推奨される更新プログラム」へと格上げされ、設定によっては自動的にアップデート更新でWindows 10へとアップグレードが行われる
  3. Windows 10へのアップグレードを行うためのDVD ISOまたはUSBメモリを作成する「Media Creation Tool」が更新され、元のOSが32/64ビットやHome/Proいかんに関わらず、単一のメディアでアップグレードが可能になる
  4. ライセンス認証が完了していないWindowsであっても、アップグレードプロセス中にボタン1つでライセンスの購入が可能になる(現在は米国ユーザーのみ)

 後者2つは多くの一般ユーザーにとって関係ないので説明を割愛し、ここでは前者2つについてフォローしておく。

 まず(1)だが、従来までは「アップグレードを予約」した後、「アップグレードの準備が完了しました」と通知され、ユーザーが実行することで「Windows 10へのアップグレード」を開始する、というステップを踏んで初めてアップグレードが行われていた。これが今回の改定により「予約して即アップグレード」と手順が省略される。

 もっとも、以前のステップを踏んでのアップグレードは「全員が同時にアップグレードを試みてMicrosoftのサーバが混雑するのを防ぐ」のが狙いであり、既にその時期を過ぎた今日では、特に問題となることはないだろう。ただし、予約さえしていない段階でアップグレードに必要なファイルがバックグラウンドでダウンロードされてしまう現象も見つかっており、仕組み自体が形骸化していたと言えるかもしれない。

 今回の変更で最も問題となるのが(2)の自動アップグレードだ。Microsoftが公開しているWindows 7のFAQによれば、Windows Updateで提供される更新プログラムには次の3種類が存在する。

  • 「重要な更新プログラム」 セキュリティ、プライバシー、信頼性の向上を目的とした更新プログラム。提供後すぐにインストールが望ましい。Windows Updateで自動的にインストールされる
  • 「推奨される更新プログラム」 重大な問題に対処するわけではないが、コンピュータの使用感向上に役立つ更新プログラム。Windows Updateで自動的にインストールできる
  • 「オプションの更新プログラム」 コンピュータの使用感を向上する更新プログラム。Microsoftの新しいソフトウェアが含まれる。手動でインストールする必要がある

 これまで、基本的にはWindows UpdateでWindows 7/8.1向けの「Windows 10へのアップグレード更新プログラム」が配信されることはなく、前述のアップグレード予約の仕組みを利用する必要があった。

 しかし今後はこの「Windows 10へのアップグレード更新プログラム」をWindows 7/8.1向けの「オプションの更新プログラム」として提供し、さらに2016年以降は「推奨される更新プログラム」へと格上げするという。

 「オプションの更新プログラム」は手動インストールのため、Windows Updateでチェックボックスを有効にするまで適用されることはないが、「推奨される更新プログラム」では自動インストールの扱いになるため、もし「更新プログラムを自動的にインストールする」としていた場合、Windows Updateが行われたタイミングで「Windows 10へのアップグレード更新プログラム」が自動的にインストールされることになる。

 これを避けるには、Windows Updateの設定で自動インストール以外のオプションを選択するしかないが、マイヤーソン氏はこの自動アップグレードを避けるために自動インストールオプションを無効化することを推奨していない。

Windows Updateの設定 Windows 7におけるWindows Updateの設定変更画面。コントロールパネルの「Windows Update」で左に表示される「設定の変更」を選ぶと、この画面になる。今後Windows 10のアップグレードを避けるためには、自動インストール以外のオプションを選択するしかない

 マイヤーソン氏によれば、「Windows 10へのアップグレード更新プログラム」は、実際にWindows 10をインストールする前に意思確認を行うほか、仮に誤ってインストールしたとしても、31日以内ならWindows 10の設定メニューから「アップデートとセキュリティ」→「回復とWindows 10のアンインストール」を選択して、いつでも旧OSの環境へと戻すことが可能という。Windows 10へのアップグレードインストールを行った場合、旧OSの環境がインストール済みアプリケーションを含めて全て残っているためだ。

 これにより、Windows 10に意図せずアップグレードしてしまうことを防げることに加えて、アップグレード後に問題があった場合には1カ月以内なら旧OSへ戻せるから問題ないという考えなのだろう。

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