米Microsoftは11月12日(現地時間)、PCおよびタブレット向け「Windows 10」で初めてとなるメジャーアップデートを公開した。7月29日にリリースされた製品版は「TH1」と呼ばれており、TH2はWindows 10初の大型アップデートとなる。THとは、Windows 10の開発コード名である「Threshold(スレッショルド)」の略称と言われている。
さて、TH2の話題が注目される中、その次に来るWindows 10アップデートのウワサもちらほら出てきた。その開発コード名は「Redstone(レッドストーン)」という。
Redstoneについてはまず、米WinBetaが11月9日(米国時間)に掲載した記事が興味深い。Windows Insider Program参加者の一部で、Windows 10プレビュー版(Windows 10 Insider Preview)のWindows Update設定画面に、「rs1_release」と「th2_release」という2つの“ブランチ(Branch)”を選択する項目が出現していたというのだ。
現在、Windows Insider Program参加者に配信されているWindows 10 Insider PreviewはTH2(Build 10586)だが、この選択項目は次期アップデートである「RS1」を適用するためのメニューに思える。RSとはもちろんRedstoneの略だ。同記事の著者はこの現象を直接確認できておらず(本稿の筆者も未確認)、真偽は不明だが、Windows 10の「次なる可能性」を示唆する現象ではないだろうか。
Redstoneという名前が初めて世間に知られたのは、2015年4月に米Neowinが掲載したブラッド・サムス氏の記事と、米ZDNetが掲載したメアリー・ジョー・フォリー氏によるその補足記事とみられる。
MicrosoftではWindows 8.1を「Blue」、Windows 10を「Threshold」の開発コード名で呼んでおり、過去の例に従えば、Redstoneは「Windows 10.1」や「Windows 11」のような正式名称になると思うかもしれない。しかし、開発コード名が異なるだけで、実際にはWindows 10の名称をそのまま継続し、扱いも同OSの延長線上にあるという。この辺りは、Microsoftが掲げる「Windows as a Service」のコンセプトと一致する。
なお、Redstoneという名称は、Microsoftが開発元を買収した人気ゲーム「Minecraft」に登場する同名の重要アイテムが由来とみられる。Windows 10の音声対応パーソナルアシスタント機能である「Cortana(コルタナ)」がXboxのキラータイトル「Halo」由来だったことも含めて考えると、最近のMicrosoftはゲームから名前を拝借するのがお約束なのかもしれない。
本連載では過去に何度かWindows 10のアップデート方針に触れているが、Windows 10では(少なくとも今後しばらくは)OSを代替わりすることなく、定期的なアップデートでバグ修正やセキュリティ対策を行いつつ、OSの機能強化を少しずつ進めていく「永遠に未完成」の状態を維持していくとみられている。
悪く言えば「当初計画していて実装が間に合わなかった機能を後のアップデートで追加するやり方」となるが、ユーザーにとっては一度OSに投資すれば、以後も継続してOSの最新状態を維持できるわけで、メリットもある(しかも、Windows 10はWindows 7〜8.1ユーザーなら公開後1年間は無料でアップグレード可能)。
実際、既にTH2として一般ユーザー(Current Branch:CB)に配信されたWindows 10の大型アップデートは、この「未完成モデル」を踏襲したものだ。
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