Windows 8と旧IEのサポート終了がもたらす影響とは?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2016年01月17日 14時00分 公開

 2016年1月12日(日本時間では1月13日)、Windows 8Internet Explorer旧バージョンのサポートが終了した。前者については、Windows 8.1提供のタイミングで、後者については1年半前から告知されていたものだ。これらの意味するところと、実際の影響について考えていこう。

Windows 8 Windows 8のスタート画面。スタートメニューを廃止し、タイル状のボタンが並ぶスタート画面を採用したことで、タッチパネル操作の親和性を高めた一方、PC用OSとしては使いづらいという不満も噴出した

なぜWindows 8のサポートが打ち切られるのか

 Windowsのサポート期間について知識がある方は、「Windowsって“メインストリームサポートの5年”と“延長サポートの5年”を合わせて発売から10年間のサポートが約束されているんじゃないの?」という疑問を抱くかもしれない。あるいは「Windows 8の人気がなかったから、Microsoftがすぐにでもサポートを止めたくなったの?」と考える方もいるのではないだろうか。

 Windowsではセキュリティパッチの提供やバグ修正、機能強化のアップデートなど、各種サポートの提供にあたって「マシンを最新の状態に保つこと」という条件がある。この場合の「最新の状態」とは、該当するWindows OSのバージョンで提供されている最新の「Service Pack」を適用しているということだ。「最新のService Packが提供されてから24カ月(2年)以内に適用しないと、そのOSはサポート対象外となる」という規定がある。

 この辺りは以前の連載記事でも触れたが、Windows 8における最新のService Packとは「Windows 8.1」に相当しており、この適用期限が今回の「2016年1月12日(日本時間では1月13日)」だったというわけだ。つまり、今回の措置はWindowsのサポートライフサイクルポリシーにのっとったものであり、これまでアップグレードを控えてきたユーザーの猶予期間が終了したことを意味する。

 Windows 8からWindows 8.1へのアップグレードは無料だ。このアップグレードを行うことで、サポート期間は2023年1月11日まで延長される。ちなみに、Windows Vistaは2017年4月12日、Windows 7は2020年1月15日に延長サポートが終了となる予定だ(Windows XPは2014年4月9日にサポート終了)。

 さらに、Windows 10リリース後1年間の無償アップグレード対象となっているデスクトップOSはWindows 7/8.1の2種類のみであり、Windows 8は含まれていない。Windows 10へのアップグレードを希望するWindows 8ユーザーは、一度8.1にアップグレードすることが前提となる。

Windows 8.1 2013年10月17日から無料で提供されている「Windows 8.1」。デスクトップ画面にスタートボタンが復活したが、これを押すと、Windows 8同様のスタート画面に移動する。スタートボタンの右クリックでこのようなコンテキストメニューは現れるが、スタートメニューは出てこない

 しかし、このWindows 8.1のサポートライフサイクルポリシーには1点だけ例外がある。それは「Windows 8.1 Update」の存在だ。正確にはWindows 8.1 UpdateはService Packではないため、適用せずともサポートが継続される「累積的アップデート」の扱いとなる。ただ、このWindows 8.1 Updateを適用しない状態では以後の最新アップデートを受け取れないという制約があり、やや特殊な位置付けだ。

 こうした例外があるものの、基本的には「可能な限り最新のService Packを適用した状態で維持する」ことが求められる。しかしWindows 10に関しては現状でService Packにあたるアップデートの提供計画が説明されておらず、2016年前半に登場する見通しのWindows 10大型アップデート「Redstone」の扱いも不明だ。今後のWindows 10に関するサポート状況は追ってレポートしていきたい。

Windows 8.1 Update 2014年4月9日に配布された「Windows 8.1 Update」。スタート画面右上の自分のアカウント横に、「電源」と「検索」のボタンが追加されている

Windows 8のサポート終了の影響はどの程度なのか

 実際に世界でどのバージョンのWindowsがどれだけ使われているのだろうか。今回はNet Market ShareとStatCounterの2つのデータを比較しながら考えてみる。両者のWebブラウザに関するデータは大きくシェアが異なって出てくるため、その違いがよく話題になる。ただ、デスクトップOSに関しては、iOSやAndroidベースの「モバイルタブレット」がStatCounterには含まれるということを除いて、あまり極端な差異はない。

 両者に共通しているのは「Windows 7がOS全体のシェアの約半分を獲得していること」と「Windows XP/8.1/10の3つのOSのシェアが約1割前後の水準で拮抗(きっこう)していること」の2つだ。また興味深い部分として「Windows 8のシェアが2.7%程度存在していること」が挙げられる。少なくとも、全体の3%程度のユーザーが今回のWindows 8サポート終了で影響を受けるというわけだ。

 Windows 8のサポート終了は事前に告知され、一般ユーザーにとってWindows 8.1にアップグレードするデメリットもほとんどないと思われる。そのため、現時点でWindows 8を維持しているユーザーは「わざとバージョンを上げていない」ケースが多いと筆者は推察している。理由は不明だが、「アップグレードによって何らかの問題が発生する」「企業導入などで検証が未完了」といったケースが考えられる。

 Windows XPのサポート終了のときと同じで「危険性は増すものの、即日マシンが使えなくなるわけではない」が、やはり最新セキュリティ更新プログラムなどのサポートが受けられる状態に早くしておくことは望ましい。Windows 8のサポートが終了したことを念頭に置いたうえで、できるだけ速やかに対策を講じるべきだ。

Net Market ShareのデスクトップOSシェア 2015年12月のバージョン別デスクトップOSシェア(出典:Net Market Share)
StatCounterのデスクトップOSシェア 2015年10〜12月のモバイルタブレットを含むバージョン別デスクトップOSシェア(出典:StatCounter)
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