タッチパッド面が前モデルから約30%広がったこともあり、操作は快適に行えます。表面はガラスなので手触りも滑らかです。手の大きな人だとやや遠慮がちに操作しなければならなかった従来モデルに比べ、Magic Trackpad 2ならば遠慮なくピンチインやピンチアウトが行え、意識せずに作業できるようになったのは大きなポイントですね。
画像のレタッチや動画の編集といった細かな操作はマウスなどにかないませんが、だらだらとWebページを見たり、FacebookやTwitter、メールのやりとりといった受け身の作業は格段に軽快になります。まさに時間泥棒促進アイテムと断言できるでしょう。
肝心の感圧タッチとTaptic Engineによるフィードバックですが、まさに新しいMacBookのタッチパッドと同じように扱えます。前述したように物理的にパッド面を押し込んでいる訳ではないのですが、確かなクリック感(Taptic Engineによる振動)を得られます。慣れてしまえばどうということはないのですが、最初はやはり新鮮な感覚を味わえ、無意味にパッドをタップしてしまうほどです。
秀逸なのは、クリック音をオフにしたり、クリックの圧力を細かく調整できたりすることです。さらにパッドを強く押し込む「強めのクリック」で、SafariなどでWeb閲覧時に単語を強く押し込んで辞書の意味を表示したり、ファイルなどを押し込んでクイックルックを開いたりと、ジェスチャーによるショートカットが使えるようになります。
この強めのクリックは、対応アプリごとに割り当てがあらかじめ決められており、詳細はAppleのサポートページに掲載されています。ユーザーの手によるカスタマイズはできませんが、筆者もお世話になっているユーティリティー「BetterTouchTool」を使えば、さまざまなアクションを設定できるようになります。BetterTouchToolは初期設定こそ面倒ですが、アプリごとにジェスチャーの細かな割り当てが指定できるので、Mac使いの方はぜひ一度試してみてください。
前モデルは乾電池駆動ということもあってボディーの傾斜角が結構あり、乾電池の収納部分はセンサー外となっていました。さらに手前側の2つのゴム足にマイクロスイッチが入っているため、支点になっている奥側(乾電池収納側)になればなるほどテコの原理で強く押下げなければならず、使い勝手を損ねていたのも事実です。
Magic Touchpad 2では、これらの気になる点をすべて解消し、パッドの全面で操作ができるようになりました。その分、設置面積が広くなってしまいましたが、クリックや操作するときのがたつきが減って安定感が増しています。
確かに、感圧タッチとTaptic Engineによる“触って感じる”インタフェースはまさに魔法のようですが、Apple WatchやiPhone 6sシリーズと同様、まだまだ活用しきれていないのが現状です。また、直販のApple StoreでiMacを購入する際、標準添付のMagic Mouse 2からMagic Trackpad 2への変更で5300円(税別)、Magic Trackpad 2単体では1万4800円(税別)と高価です。
とはいえ実際に試して感じたのは、操作面の拡大によりタッチパッドを意識せずにさまざまなジェスチャーが可能になったことによる快適さです。パッドの隅々まで力を入れずにタップでき、利き腕を選ばずにジェスチャー操作を思い切りやり切れる快感は、病みつきになりそうです。ものぐさな人ほど効果を発揮する、実感できるといったら言い過ぎでしょうか。
iMacやMac Pro、Mac miniといったデスクトップを使っているユーザーだけでなく、ノートのMacBookシリーズを使っているユーザーにも福音をもたらす“きほんアイテム”と言えるでしょう。
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