もう1つ、Razer Bladeの2016年モデルを検討するうえで気になる機種があるとすれば、Razerが一足先に発売した12.5型の薄型軽量ノートPC「Razer Blade Stealth」ではないでしょうか。
実は筆者自身、Razer Blade StealthがUSで発売されたときに、いち早く購入して気に入っているノートPCです。基本的なデザインはRazer Bladeと同じで、携帯性を重視した12.5型モデルという位置付けです。
Razer Blade 2016年モデルとRazer Blade Stealthの比較 | ||
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製品名 | Razer Blade | Razer Blade Stealth |
本体サイズ | 345(幅)×235(奥行き)×17.9(高さ)mm | 321(幅)×206(奥行き)×13.1(高さ)mm |
重量 | 約1.93kg | 約1.25kg |
ディスプレイ(解像度/画素密度) | 14型(3200×1800/約262ppi) | 12.5型(2560×1440/約234ppi)、12.5型(3840×2160/約352ppi) ※2種類から選択可 |
液晶タッチパネル | 搭載 | 搭載 |
CPU(コア数/スレッド数) | 第6世代Core i7-6700HQ(4コア/8スレッド) | 第6世代Core i7-6500U(2コア/4スレッド) |
CPU動作周波数 | 2.6GHz/最大3.5GHz | 2.5GHz/最大3.1GHz |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 970M(6GB GDDR5) | Intel HD Graphics 520 |
メモリ | 16GB(DDR4-2133) | 8GB(LPDDR3-1866) |
ストレージ | 256GB PCIe SSD、512GB PCIe SSD ※2種類から選択可 | 128GB PCIe SSD、256GB PCIe SSD、512GB PCIe SSD ※128GBは2560×1440液晶モデルのみ、512GBは3840×2160液晶モデルのみ選択可 |
通信機能 | Killer Wireless-AC 1535(IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1) | IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1 |
Webカメラ | 約200万画素 | 約200万画素 |
インタフェース | Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)、USB 3.0×2、HDMI 1.4、3.5mmヘッドフォン/マイク兼用端子 | Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)、USB 3.0×2、HDMI 1.4、3.5mmヘッドフォン/マイク兼用端子 |
カードスロット | − | − |
内蔵スピーカー | ステレオ | ステレオ |
内蔵マイク | デュアル | デュアル |
キーボード | Chromaバックライト付きアンチゴースト機能キーボード | Chromaバックライト付きアンチゴースト機能キーボード |
ポインティングデバイス | タッチパッド | タッチパッド |
バッテリー | 70Whリチウムポリマー | 45Whリチウムポリマー |
ACアダプター | 165Wアダプター | 45Wアダプター(USB Type-C) |
OS | Windows 10 | Windows 10 |
Razer Blade Stealthは本体サイズが321(幅)×206(奥行き)×13.1(高さ)mm、重量が約1.25kgです。こちらは「13インチMacBook Air」(以下、MBA13)と同程度のフットプリントですが、13.1mmという薄さ、約1.25kgという重さはMBA13(17mm厚、約1.35kg)に勝ります。サイズ感の違いは、Razer BladeをMBP15、Razer Blade StealthをMBA13に置き換えるとイメージしやすいはずです。
薄型軽量を重視したRazer Blade Stealthは、基本スペックがRazer Bladeより抑えられています。CPUはデュアルコアの第6世代Core i7-6500U、GPUはCPU内蔵のIntel HD Graphics 520、メモリは8GBで、2016年の薄型軽量WindowsノートPCとしては無難にまとまったスペックです。特に外部GPUを内蔵していないのはRazer Bladeと大きな違いで、ノートPC単体では遊べるゲームが限られます。
Razer Blade Stealthはゲーム用途だけではなく、通常のパーソナル・ビジネスノートPCとしての活用も想定しているので、携帯性の高いスタイリッシュなノートPCを求める幅広いユーザー層にアピールしたいことから、外部GPUを内蔵しない設計としているのでしょう。
一方、12.5型の液晶ディスプレイを2種類から選べるのはRazer Blade Stealthの大きな特徴です。下位のWQHDパネル(2560×1440ピクセル/約234ppi)でも高画質ですが、上位の4K UHDパネル(3840×2160ピクセル/約352ppi)は、Razer Bladeを超える解像度と画素密度が得られます。また、この4K UHD液晶パネルはAdobe RGBの広色域をサポートし、クリエイティブな作業でも優位性を発揮します。
そしてRazer Blade Stealthの最大の特徴は、薄型軽量ノートPCでありながら、Razer Bladeと同じ外付けグラフィックスカード拡張ケースのRazer Coreを利用できるところにあります。これで拡張すれば、外出中は薄型軽量モバイルノートPCとして使いつつ、自宅ではゲーミングPCに変身するという「一粒で二度おいしい」使い方が可能です。
その他、拡張ポートの種類と数、本体やキーボードの質感などは共通化しているので、用途とサイズに合わせて好みのものを選べばいいでしょう。
従来のノートPCは、ボディーサイズを優先すると性能を犠牲にせざるを得ませんでした。しかし、Razer Blade StealthはRazer Coreという新しい仕組みを採り入れることで、モバイルノートPCからデスクトップPC代替ノートPCまでの範囲を1台でカバーできるようになったのは画期的です。
ちなみに、Razer Blade、Razer Blade StealthともにThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子を備えていますが、Razer Blade Stealthは電源端子もUSB Type-Cで共有しています。Razer Blade Stealthは45Wの電源なので、USB Type-C PDの規格で十分電源が供給できるため、独立した電源ポートが省かれているのです。ACアダプター自体もかなりコンパクトなので、携帯性を優先するならRazer Blade Stealthの方が魅力的です。
個人的にRazer Blade Stealthを購入して愛用していたことを機会に今回の評価をさせていただいていますが、Razer Bladeについてもかなりひかれています。
筆者は普段YouTube動画の編集などに自作のハイスペックデスクトップPCを活用していますが、今回Razer Bladeで動画編集を行ってみると、かなりデスクトップPCに近い感覚で快適に作業できました。
どこでもデスクトップPC並みの作業環境を得たい人にとっては、ゲーム用途に限らず、Razer Bladeがおすすめ候補の1つになると思います。
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