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5月2日に「Windows 10 Cloud」と「新Surface」が発表される?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2017年04月15日 06時00分 公開

 米Microsoftは5月2日(現地時間)にニューヨークでイベントを開催する。

 同社が2017年春に新製品発表イベントを開催するというウワサは、2016年からささやかれてきたが、その内容は待望の「Surface Pro 5」や「Surface Book 2」といった注目機種のモデルチェンジではなく、ある分野をターゲットにした戦略発表に近いものになりそうだ。

 同イベントの告知を見ると、「Learn what's next」と書かれており、Twitterで使われる「#MicrosoftEDU」のハッシュタグも添えられている。「EDU」とは「Education」の意味であり、つまりは「教育分野」に関する発表とみられる。

 具体的には、「Windows 10 Cloud」の名称で呼ばれていたWindows 10の新SKUと、これを搭載した「新デバイス」が登場すると予想される。このイベントはライブ配信される予定だ。

MicrosoftEDU 5月2日に開催される教育関連イベントの告知ページ

5月2日のイベントでは何が発表される?

 同イベントの招待状は、4月12日に報道関係者などに送付されている。MicrosoftやWindowsの最新動向に詳しい米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏によれば、このイベントは内部的に「Bespin」のコード名で呼ばれており、前述したWindows 10 Cloudが話題の中心となるようだ。

 「クラウド」と銘打たれた名称から「Windows 10 Cloudはクラウド版のWindowsなのか」と考えてしまうが、実際は「UWP(Universal Windows Platform)のみが実行可能な廉価版Windows」であり、つまりは教育分野で急激にシェアを拡大しつつある「Chromebook対抗OS」がその正体というのが有力な説になっている。

 Windows 10 Cloudはアップグレード権の購入による「Windows 10 Pro」といった上位エディションへのアップグレードも可能と言われており、その入口となる安価なWindows 10デバイスを広く普及させるのが狙いだろう。

 ジョー・フォリー氏は自身の情報源の話として、同イベントではSurface Pro 5とSurface Book 2が発表されることはないと報じている(もちろん「Surface Phone」も)。

 一方で、Windows 10 Cloudのプロモーションのため、Microsoft自身が新しいデバイスを投入する可能性にも言及している。これが「Surface 4」のような名称になるのかは不明だが、500ドルで販売されていた「Surface 3」よりもさらに低価格、恐らくは300〜400ドル台のレンジで、(Win32アプリケーションは使えないが)ペン操作が使用可能なフル機能に近いWindowsデバイスをアピールするのではないだろうか。

 なお、伝え聞く限り、2017年5月10日に開催される開発者向けイベントの「Build 2017」では(PCの)新デバイスは発表されないという。そのため、Surface Pro 5がこの時期に登場するとしても、サイレントアップデートのような形で大きな仕様変更はないと考えられる。

Windowsの名物男が帰ってくる?

 このイベントに関しては、かつてWindows Phone 7の中心人物として活躍し、Windows 8.1〜10の開発において大きな役割を果たしたジョー・ベルフィオーレ氏が関わっているのではないか、とうわさされている。

Joe Belfiore 2015年4月に開催された「Build 2015」の基調講演でWindows 10について説明したジョー・ベルフィオーレ氏

 ベルフィオーレ氏は2015年末に25年間勤めてきたMicrosoftを離れて1年間の長期休暇に入ったが、2016年秋には同社に復帰していた。しかし、復職後の役割については不明のままで、同件について本人に直接ならびにMicrosoftの公式ルートで何度か質問したジョー・フォリー氏も回答を断られたと説明している。

 そんな中、沈黙してきたベルフィオーレ氏が、「Windows 10 Creators Update」の一般向け公開(Current Branch:CB)が開始された4月11日に突然Twitterでの投稿を開始し、さらに意味深なツイートを翌12日に行ったことで、5月2日のイベント、ひいてはWindows 10 Cloudとの関連性が取り沙汰されるようになった。

 ジョー・フォリー氏はMashableによるベルフィオーレ氏のインタビューで教育分野への言及が度々行われていることにも着目しており、同氏のWindowsチーム内での役割がWindows 10 Cloudならびに教育分野担当であるという説を後押ししている。

 Microsoftの動向を追ってきた方にとっては、ベルフィオーレ氏がステージに登場するのか、という点も今回のイベントで興味の対象になりそうだ。

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