齋藤社長によると、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、PCの「周辺機器も一括して提供してほしい」というニーズが高まっているという。その声に応えるために、FCCLではディスプレイやキーボードを中心に周辺機器の販売を強化する方針だ。
式典では、そのディスプレイとキーボードが“チラ見せ”された。ディスプレイは、同社の直販サイトで現在販売されているものとは異なるデザインで、恐らく今後投入される予定の新モデルであると思われる。
キーボードはタッチパッド付きで「LIFEBOOK UH Keyboard」という刻印を確認できた。見た目で確認する限り、このキーボードはLIFEBOOK UHシリーズの直販限定モデルで選択できる「日本語配列かな表記なしキーボード(バックライト付き)」をベースにした、ワイヤレス(モバイル)モデルのようだ。
ただ、ディスプレイやキーボードには「ライバル」も多い。ディスプレイであれば、デル、日本HP、ASUS JAPANに日本エイサーと、外資系PCメーカーも単品販売に注力している。周辺機器メーカーのものを含めれば、選択肢は非常に多い。モバイルキーボードならライバルは少ないかもしれないが、FCCLと同じLenovoグループに属するレノボ・ジャパンがTrackPoint付きのモバイルキーボードを出している。しかも、配列を日本語と米国英語(US)から選べる。
アジアやヨーロッパを中心に、FCCLもPCを海外展開している。そのことを生かした周辺機器の展開に期待したい。
式典では、FCCLの「兄貴」であるNECPCとレノボ・ジャパンの社長を兼務するデビッド・ベネット氏からビデオメッセージが寄せられた。
ベネット氏はFCCLのLIFEBOOK UHシリーズを前に「世界最軽量PC、素晴らしいです!」と褒めたたえたと思ったら「バッテリーが……」と苦言を呈した。その上で、最長約24時間のバッテリー駆動(※)を実現した「LAVIE Pro Mobile」を取り出して「まだ(バッテリーは)大丈夫」とバッテリー駆動の長さをアピールした。
(※)「JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)」に基づく測定値(以下同様)
……と、これは“茶番”で、ベネット氏はLenovoグループの中における競争が、PC業界の活性化とPCそのもののイノベーションを加速していることを前向きに評価。これからも良きライバルとしてお互いに頑張ろうという旨のメッセージを寄せた。最後に「これ(LAVIE Pro Mobile)、もうちょっと軽くならないかな……」とも述べた。
少し補足すると、UHシリーズの世界最軽量モデルである「UH-X」は、本体の軽量化を優先してバッテリーの容量を通常モデルの半分としている。現行モデルで比較すると、50Whバッテリーを搭載する「UH90/E3」のバッテリー駆動時間が最長約22.5時間であるのに対して、25Whバッテリーを搭載する「UH-X/E3」のバッテリー駆動時間は最長約11時間となっている。
一方で、LAVIE Pro Mobileは、前身の「LAVIE Hybrid ZERO」では「世界最軽量」を追求していたが、リブランドに伴い「使い勝手」を優先する方針となり(参考記事)、店頭販売モデルでは重量増加を承知の上で大容量バッテリーを搭載するようになった。
軽量化を優先してバッテリー容量を削減するのも、使い勝手を優先してバッテリーを増量するのも、ユーザーに選択肢を与える上ではありがたいことだ。ただ、実際に使ってみて、犠牲にした部分で使い勝手を悪化させてしまったら「本末転倒」である。
ベネット氏のメッセージを受けて……ではないが、式典では「次世代のUHシリーズ」の開発が進んでいることが明らかにされた。次世代モデルでは、いつでもどこでも使えることに加えて、クリエイティビティー(創造性)とコネクティビティー(接続性)を強化するという。
その特徴を箇条書きすると以下の通りだ。
LIFEBOOK UHシリーズは、2020年10月モデルでボディーの設計を一新している。しかし、式典で出てきたイメージ図を見る限り、次世代のUHシリーズは、本体右側面に2基のUSB Type-C端子を備えている。
あくまで“イメージ”ではあるが、現在開発が進められているモデルでは、さらなる設計変更があるものと思われる。
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