「PCと携帯は赤字にならなければ続けるべき」──富士通・野副社長

» 2009年07月24日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo 野副社長

 富士通の野副州旦社長は7月23日、経営方針を説明し、2011年度(12年3月期)に営業利益2500億円を目指す新中期目標を明らかにした。構造改革効果やサービスビジネスの拡大などで、08年度比で3.6倍の増益を達成したい考えだ。

 08年度は687億円の営業利益を確保したものの、純損益は1123億円の赤字に転落。経営環境は厳しかったが、「08年度はやるべきことが明確になった。構造改革にとってはむしろ追い風だった」と、HDD事業を東芝へ売却するなどの構造改革を断行した。

 09年度も景気の急回復はないとの見方だが、「2期連続の最終赤字には絶対にしない」という決意で臨み、営業利益は約16%増の800億円、純損益は200億円の黒字への転換を見込んでいる。

photophotophoto 経営方針説明会資料より

 11年度の目標として、売上高5兆円、営業利益2500億円、純利益1300億円を掲げる。HDD事業売却などの構造改革効果に加え、今期中に見込んでいるLSI事業の黒字転換、海外ビジネスの拡大などが利益を押し上げると見込んでいる。サーバなどのプロダクトとサービスを両輪にグローバル戦略を展開するほか、「作りっぱなしにしない」という顧客視点の徹底、完全子会社化する富士通ビジネスシステムによる中堅市場向け対応の強化などを進めていく。

 利益の多くは、法人向けITを手がける「テクノロジーソリューション」が稼ぎ出す構造だが、PC事業と携帯電話事業は「赤字にならなければ、利益率が1〜2%であっても続けるべきだと思っている」とした。一方で、ライバルであり目標でもある米IBMに触れ、「IBMには携帯などはない。いつかはIBMのようになる可能性があるが、今はその時ではない」とも話した。

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