スマートフォンをビジネスで利用する上で、お勧めしたいのがクラウド系メモアプリだ。情報を端末の中ではなくインターネット上(サーバー)に預けるクラウド系メモサービスでは、スマートフォンやPCなど複数のデバイスから同じ情報にアクセスしたり、情報を記録したりできる。
例えば、会議のメモを会社のPCからクラウド系メモサービスに記録したとしよう。すると、帰りの電車で自分のスマートフォンからそのメモを見返したり、内容を新たに書き込んだりできるのだ。出張先では、スマートフォンから写真付きの視察メモをクラウド系メモサービスに記録し、帰宅後に自宅PCからメモを見返して、リポートを書くといったこともできる。また、Webサイトの情報をクリッピングして、スクラップブックのように利用することもできる。
こうした便利さのあるクラウド系メモサービスの中でも、代表的なサービスの1つが「Evernote」だ。米国発のサービスながら日本語にも対応しており、解説書も多く出版されている。今回は、Evernoteの公式Androidアプリ「Evernote」の使い方を紹介しよう。
Evernoteは、「新規ノート」でノート(ユーザーが書き込むメモデータ)を作成し、「ノートブック」で情報の大まかな分類を行い、「タグ」で細かな情報分類を行うというシンプルな使い方で、さまざまな情報を管理できる。検索機能も優れているので、膨大な情報を素早く簡単に見返すことが可能だ。
ログインすると、まずメインメニューが表示される。ここから全てのノートを管理する。新規にメモを取りたいときは「新規ノート」のアイコンをタップしよう。その隣にある「スナップショット」では、写真付きのノートを素早く作成可能だ。「すべてのノート」を選択すると今まで作成したノートの一覧が表示される。「タグ」では、過去のノートを、投稿時に設定したタグ別に見返すことが可能だ。ちなみにノートブックを複数使い分けている人は、「ノートブック」でノートブックを選択し、それぞれを閲覧できる。「検索」でキーワードを入力すると、タイトルや本文内にキーワードが存在するノートが表示される。
ノートを作成する際には本文を入力するだけではなく、記録する「ノートブック」を選択したり、「タグ」を付けたりできる。「ノートブック」を複数用意すれば、例えば“プライベートのノートブック”“ビジネスのノートブック”といった具合に、記録したい情報の大まかなジャンルに合わせてノートブックを使い分けられる。こうしておくと、あとから情報を振り返るときに便利だ。
情報をより詳細に分類して管理するには「タグ」を使うとよい。例えば、あなたが渋谷周辺のグルメ探しに凝っているとしよう。店の場所や感想をメモとしてノートに残す際に、あなたは「渋谷のグルメ」というタグを一緒に付けておく。渋谷のグルメに関してノートを書くときは、「渋谷のグルメ」タグを毎回付けるようにする。
すると、ノートを見返したくなった時に、メインメニューの「タグ」から「渋谷のグルメ」を選択することで、過去にあなたが書いた全てのノートの中から「渋谷のグルメ」タグを付けたものだけが見返せる。このように、タグを使えば無数にあるメモの中から目的にあった内容のメモだけを抽出できるのだ。
さらに、1つのノートに複数のタグを付けられることもポイントの1つだ。例えば、渋谷のレストランの中で雰囲気のいい店があったとする。そのノートに、「渋谷のグルメ」タグだけでなく「デートスポット」タグも付けておくと、そのメモは「渋谷のグルメ」「デートスポット」という2つのタグから見返すことができるようになる。
クラウド系メモアプリであるEvernoteは、当然ながらスマートフォンだけではなくPC向けのWeb管理画面や専用アプリケーションも用意されている。長時間の作業や長文の編集を行う場合には、PCからEvernoteを利用する方がよいだろう。
Androidには、他のアプリと簡単に連携ができる機能があり、他のアプリケーションで閲覧している情報をEvernoteに保存できる。例えば、Android端末のカメラで撮影した写真や、Twitterで気になったつぶやきを、Evernoteのノートに記録したりすることが可能だ。他のアプリと連携することにより、Evernoteを「気になったことを全て書きとめるメモ」として活用できるのだ。
紹介した以外にも、連携の方法はたくさんあるはずだ。アプリを使っていて「この情報をノートに記録できないかな」と思ったときは、MENUボタンを押すなどしてそのアプリに共有機能がないか確かめてみるといいだろう。
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