SNSを使える人脈の場にする、少しの手間と勇気――LinkedInを活用するための経歴入力5つのポイントアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

話題のLinkedInを、使える人脈の場にするにはどうしたらいいだろうか。ポイントは経歴をいかに入力するかである。

» 2009年08月26日 14時00分 公開
[加藤恭子,ITmedia]
LinkedIn

 以前「へそを曲げずに試してみる」ではSNSを使うことの利点を挙げた。また今月のIT Leadersでも「LinkedIn」(英語の実名SNS※日本語入力は可能)の私の使い方について触れている。

 だがLinkedInの場合、当たり前かもしれないが、単にアカウントをとっただけでは、そこに「人のつながり」は生まれない。mixiやTwitterと違い、ひんぱんにアクセスする必要はないものの、使い方にコツがある。

 お勧めしたいのは、経歴のポイントを押さえて入れることだ。

 LinkedInでは社名で検索できるため、自分が勤務していた会社名をきちんと入れることで、元同僚や元取引先の人に見つけてもらいやすくなる。行方が分からなくなっていた元同僚を見つけたり、しばらく疎遠になっていた元同僚から見つけてもらったりして、そこからまたゆるい交流がスタートした経験がいくつかある。もし外資系企業、特にIT関連企業での勤務歴があれば、ほぼ確実にこの体験ができるのではないかと思う。

 実名で入れるのもポイントだ。自分とつながりたいと思ってくれる人がこっちを探しやすくなる。mixiのようなスタイルの日記がないので、「こっそり日記を書いたから見られたら困る」こともない。自分が人に伝えて差し支えない範囲で、例えば「私が本を出したら、こんな略歴を入れたいな」というレベルを想定して、略歴を入力し始め、そこからだんだんとふくらませていくのがいいだろう。

 それから、写真もできるだけ入れたい。顔を見て「ああ、あの人だ」と分かってもらえることもあるし、仕事につながる、新たなコネクションを作るという意味では、「仕事に関するお見合いサイト」的な意味合いもあるので、写真があったほうがイメージもわきやすい。日本語も入力できるのだが、名前や社名もローマ字で探されることが多いため、英語での入力がオススメ。もちろんプロフィールを書いた英語が間違っていたりすることもあるが、意味が通じれば相手はそれほど英語の間違いを気にしないという印象を受けている。

 さらに可能であれば、取引先や元上司、同僚などから「推薦文」をもらっておくと良い。客観的に誰かが「●●さんはこんな人です」と書いてくれた文章が、あなたの信頼性をあげてくれる。

推薦文の例

 このような情報を入れることで、以下のような連絡が来る。もちろん自分から送ってもいい。

  • 仕事の紹介、相談、案件の提供
  • 転職先の紹介
  • 所属しているコミュニティの懇親会の案内
  • プロフィールを見て、興味をもった人からの連絡
  • 元同僚、取引先からの連絡

 実名で写真を出して、略歴も入れる、などというと、特に女性の場合「怖い」「変な連絡が来るのではないか?」「自分にはできない」という人もいるかもしれない。だが私も2004年から利用しているものの、今のところLinkedIn経由で不快な連絡が来たことはない。私のコネクションに入っている女性たち(20代から50代までいる)も、たいてい写真を入れている。真剣なビジネスのコネクションの場であるため、異なる目的の人はほかのSNSに流れているのかもしれない。Twitterであるようなスパムも一度も経験していない。

 もちろん、人材紹介会社からのメールや、理由は分からないが、とにかく大量にコネクションを増やしている、まったく知らない人からのコネクション依頼の連絡が来ることもある。しかし、これらは興味がなければお断りをすればいいだけだ。

 絶対に安全だ、写真や実名をのせたほうがいいとは言い切れない。だが、公開して問題のない範囲で登録してみることはオススメ――である。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ