パーソナルブランディングで得られるものソーシャルブランディングの時代(2/2 ページ)

» 2011年07月26日 09時30分 公開
[大元隆志,Business Media 誠]
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パーソナルブランディングで実現できないこと

 パーソナルブランディングを実践することで、あなたの望みは叶うかもしれません。しかし、パーソナルブランディングは万能薬ではありません。実現できることに加え、実現できないことも知っておいた方がよいでしょう。

(1)本物のセレブにはなれない

 パーソナルブランディングの実践を通じて、あなたはマイクロセレブになることができます。しかしここで注意すべきは、万人が知る有名人、いわば「本物のセレブ」になることはできないということです。

 セレブ(セレブリティ)の語意を「マスメディアに登場し、誰もが知っている有名人」と定義したなら、ソーシャルメディア上でパーソナルブランディングをどんなに実践しても、残念ながらセレブになれる保証はありません。理由は簡単です。いくらソーシャルメディアが普及しているとはいえ、利用していない数千万人にリーチすることはできないからです。

 あなたをセレブにしてくれる唯一の方法は、パーソナルブランディングではなく、あなたが実現したいと思っている何かを「成す」ことです。そしてその成果が、世間から広く賞賛される事柄であって、さらに、マスメディアに取り上げられてはじめて、セレブになるための必要条件がある程度満たされます。パーソナルブランディングは、その「成すべきことを成す」うえで、非常に有効なツールとして機能しますが、それ自体ではセレブになれないという点を、よく理解しておくようお薦めします。

 あなたがもし、幸運にもソーシャルメディア上で有名になり、テレビや新聞等に取り上げられても、知名度に見合う実力や「成しえた」成果があなた自身になければ、単なるピエロに終わってしまう可能性があることを覚えておいた方がよいでしょう。

(2)能力不足は補ってくれない

 あなたがもし、語学力がないのに語学堪能であるかのように振る舞い、注目を集めても、いずれ嘘はバレてしまうでしょう。パーソナルブランディングは等身大のあなたを多くの人に知ってもらい、あなたの良さをよりよく伝えるツールとなりますが、あなたにない能力を与えてくれる魔法の杖ではありません。

 パーソナルブランディングをより効果的に実践するためには、あなた自身の能力の向上が不可欠です。この点を理解しておきましょう。

パーソナルブランディングが有効な職業とそうでない職業

 パーソナルブランディングは大半の人々にとって、とても効果を発揮しますが、職業によっては効果的でない場合があります。一般的に見て、個人の能力やスキルが重視される職業では、パーソナルブランディングが大変有効です。反対に組織活動が重視されるような職業では、「出る杭は打たれる」の諺もあるように、パーソナルブランディングにこだわり過ぎると、個人の評価や業績に悪影響を及ぼすかもしれません。

 とはいえ、たとえ自分がどんな職業だったとしても、友人を作り、職種や組織の枠を越えて1つの事を成し遂げるうえで、パーソナルブランディングのスキルは非常に有効です。より充実した人生を送るために、不向きな職業の方もぜひ実践していただきたいと思います。

著者紹介:大元隆志(おおもと・たかし)

 「ITmedia オルタナティブ・ブログ」に執筆を続けるITジャーナリスト。SNSビジネスの論客として、NHK教育テレビ「ITホワイトボックス2」に出演。2011年2月時点で日本語Facebookページのファン数ランキング第4位。ソーシャルメディア関連のビジネス系イベントとしては最大級となる「SOCIAL CONFERENCE 2011」を主催するなど、精力的に活動中。IPv6普及・高度化推進協議会メンバー。MCPCシニアモバイルコンサルタント、米国PMI認定PMP(Project Management Professional)などの資格を所持。


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