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» 2012年06月06日 12時00分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:書く力もスポーツと一緒――ビジネスにおける「パワー」と「テクニック」の関係 (2/2)

[開米瑞浩,Business Media 誠]
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血液型別の恋愛占いはテクニックかどうか

 「あなたと彼の血液型別・狙った男の落とし方」という感じの本を見かけたことがありますが、血液型別なら4×4の16通り。これが星座別だと12×12で144通りになり、それに県民性をかけると6000通りを越えます。とても覚える気にはなれませんね。この種の方法は状況が極めて限定されている時にだけ役に立つもので、一種のカンニングのようなものなのです。

 この連載でもいくつか「テクニック」を扱ってきました。第1回の「背景・問題・理想・解決策」、第2回の「素材・加工・用途」、第5回の「構造・特徴・性質・用途」などが、実際の職場でも現れがちな問題に対応できるテクニックです。

 この種のテクニックはすぐに使えるように見えることもありますが、実際には問題は毎回微妙に違った形で現れるもので、パターン丸暗記では解決しません。

「地味な基本動作」の反復はビジネススキルのパワーになる

 結局のところ、長期間の地道なトレーニングはどこかで必要になります。ビジネススキルにおいても、スポーツにおけるパワーのように、決して短期間で爆発的に伸びることはない、少しずつ積み上げていくしかない力が存在するわけです。ですから、この連載の第7回でも書いた「地味な基本動作」を大事にしてください。

 一見回り道に見えても、最終的にはその方が成果が出ます。そもそも、パワーとテクニックというのは対立するものではありません。

 例えば野球でヒットを打つためには、「バットを振れる筋力」が先に必要です。その筋力がなければ「テクニックを身に付けるための練習」さえできません。

 また、例えば水泳のテクニックはいくら覚えても野球には使えません。しかし、水泳で鍛えた筋力は野球を含むどんなスポーツをする場合も役に立ちます。

 パワーとテクニックの間にはそんな関係があるんです。パワー系のトレーニングは1日や2日では成長が目に見えないし、地味で退屈しがちです。しかしそれがなければテクニックは成立しません。

 「説明書を分かりやすく書く力」の場合、テクニックというのは「背景・問題・理想・解決策」のようなよくあるパターンに関する知識です。一方、第7回で書いた「分解・分類・見出し付け」を習慣にすると、パワーに該当する力が付きます。どうしてもテクニックの方が即効性があるように見えますが、小手先のテクニックに走らず、地味な基本動作を忘れないようにしたいものです。


 当連載では、「分かりにくい説明書を改善したい」という相談を歓迎しております。「改善案のヒントがほしい」という例文があれば遠慮無く開米へお送りください(ask@ideacraft.jp)。今回のような連載での紹介は、許諾をいただいた場合のみ、必要に応じて内容を適宜編集したうえで行います。

 当記事についてのご意見ご感想ご質問等は「twitter:@kmic67」宛でも受け付けております。中には記事では書ききれない情報もあります。物足りなく思った時はぜひ「twitter:@kmic67」宛に質問を飛ばしてみてください。

開催セミナーのお知らせ

 企画書や報告書をはじめ、誰が見ても“分かりやすい資料づくり”でお悩みの方へ、著者・開米瑞浩氏が講師となって「アイデア・思考を見える化させる「読解力×図解力」 スキルアップ研修」を実施します。

日時:2012年7月27日(水)10時〜17時

会場:名古屋: 中産連ビル 研修室

概要:アイデア・思考を見える化させる「読解力×図解力」 スキルアップ研修

筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)

 IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』『図解 大人の「説明力!」』、『頭のいい「教え方」 すごいコツ!』


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