甲子園大会の「盲点の1点」を構造化してみると説明書を書く悩み解決相談室(2/2 ページ)

» 2012年08月17日 12時00分 公開
[開米瑞浩,Business Media 誠]
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「誰、いつ、何」+「意味」のコンビネーション

 この種の状況を簡単に言うと「複数の登場人物が時間軸に沿ってそれぞれ何らかの行動をし、それが何らかの意味を持つ」状況です。従って、これを理解しやすく整理するためには、「誰」「いつ」「何」に加えて「意味」の4要素を把握しやすいように構造化する必要があります。そこで便利なのがこんなパターンのチャートです。

図2:「誰」「いつ」「何」「意味」の4要素を構造化したもの

 つまり図1(下に再掲)は、いつその意味の4要素をきっちりと整理して描いてあったわけです。単純にそれだけなのですが、これが非常に便利で応用できる機会が多いので私はよく使います。

図1:甲子園で起きた「ルールブックの盲点の1点」の図解

 理屈としては当たり前の話で、この種の状況の説明を文章や個条書きで読んだり、あるいは音声で聞くだけだと、4要素が頭の中でこんがらがってしまうことが多いのです。それを防ぐためには、4要素を簡単に区別できるように構造化しておく必要があります。それをすると図2のようになるのは必然とも言えることなんですね。

 複数の登場人物が時間軸に沿ってそれぞれ何らかの行動をし、それが何らかの意味を持つ状況は、何もビジネスに限ったことではありません。情報システムの動きやビジネスワークフローの中でもよく起こります。そのため、これを整理するには図2のような基本パターンを応用できることが多いので、次の機会にはぜひ使ってみてください。


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筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)

 IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』『図解 大人の「説明力!」』、『頭のいい「教え方」 すごいコツ!』


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