この種の状況を簡単に言うと「複数の登場人物が時間軸に沿ってそれぞれ何らかの行動をし、それが何らかの意味を持つ」状況です。従って、これを理解しやすく整理するためには、「誰」「いつ」「何」に加えて「意味」の4要素を把握しやすいように構造化する必要があります。そこで便利なのがこんなパターンのチャートです。
つまり図1(下に再掲)は、誰、いつ、何とその意味の4要素をきっちりと整理して描いてあったわけです。単純にそれだけなのですが、これが非常に便利で応用できる機会が多いので私はよく使います。
理屈としては当たり前の話で、この種の状況の説明を文章や個条書きで読んだり、あるいは音声で聞くだけだと、4要素が頭の中でこんがらがってしまうことが多いのです。それを防ぐためには、4要素を簡単に区別できるように構造化しておく必要があります。それをすると図2のようになるのは必然とも言えることなんですね。
複数の登場人物が時間軸に沿ってそれぞれ何らかの行動をし、それが何らかの意味を持つ状況は、何もビジネスに限ったことではありません。情報システムの動きやビジネスワークフローの中でもよく起こります。そのため、これを整理するには図2のような基本パターンを応用できることが多いので、次の機会にはぜひ使ってみてください。
当連載では、「分かりにくい説明書を改善したい」相談を歓迎しております。「改善案のヒントがほしい」例文があれば遠慮なく開米へお送りください(ask@ideacraft.jp )。今回のような連載での紹介は、許諾をいただいた場合のみ、必要に応じて内容を適宜編集したうえで行います。
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IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』、
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