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「年収やスペックでフィルターをかけない」 マッチングアプリTinder Japanの女性トップを直撃「ニューノーマル」な出会いを提供(4/5 ページ)

» 2021年10月30日 10時38分 公開
[武田信晃ITmedia]

台湾ではすでに一定の知名度

――売り上げの95%は有料会員が占めています。有料会員はプラス、ゴールド、プラチナムの3種類がありますが、どこが伸びたのですか?

 Tinderとしていえるのはサブスクリプションを購入している人ももちろんおりますが、興味が沸いたから(好意を持つ人に通知される)Super Likeを買うなど、その都度「アラカルト」のサービスを購入する人が多いのが好調の要因として挙げられます。ずっとTinderを続けるというより、ちょっと気が向いたからやろうという傾向が見てとれます。

 また一定の期間、有料サービスを利用せず、無料の会員に戻って再び使い始める人も少なくありません。例えば、お付き合いをして、別れたから再開するなど、「1対1で相手を探して、最終的なゴールとして利用をやめる」使い方をしないのがTinderだと思っています。

アラカルトによる収益

――チョウさんは韓国、台湾のカントリーマネージャーでもあります。どんな課題がありますか?

 韓国では日本と同じでマッチングアプリ自体を知らない人が少なくありませんので、サービス内容を伝えていくのが課題だと感じており、それは日本とそれほど変わりません。一方の台湾ではすでに一定の知名度がありますから、台湾はマッチングアプリへの抵抗感が少ない土地柄なのだと考えています。台湾は米国で流行している情報をいち早く取り入れる土壌があるからでしょう。

――チョウさんは中国出身ですが、中国市場はどう考えていますか?

 中国のテック業界では5〜6年前から、「今後大きな伸びはない」という共通認識があります。TikTokなどが海外に進出したのはそういった背景があります。中国にはライブ配信をしている「陌陌(MOMO)」という会社があり、傘下に「探探(Tantan)」というマッチングアプリがあります。探探も東南アジアに進出しています。日本にも進出している「SOUL」というアプリも人気があります。

 中国の若者の間では、マッチングアプリを使うことがタブー視はされていないです。しかしTinderに関していうと、中国進出というよりは、日本と韓国だけでも十分に成長する余地があると思っていますし、その中で有料のメンバーを増やしていきたいと考えています。

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