――日本ではマッチングアプリ自体にも抵抗感はまだまだありますね。
マッチングアプリがまだまだ受け入れられていないことに対しては、知らないものに対して不安を持っている人が多いからだと思います。Tinderとは、どんなサービス内容で、それがもたらす価値を伝えていくことが大事だと思います。
来年が創業10周年なのですが、マッチングアプリのパイオニアとして業界の先頭を走り続けるため、この10月に「ワクチンセンター」という機能も追加しました。今、利用者のみなさんはプロフィール欄にワクチン接種済などの情報を書いている人がちらほらいるんです。それを正式な機能として「ワクチン接種済み」「もうすぐ接種予定」「一緒に免疫をつけよう」というバッジをプロフィールにつけられるようにしました。
――Tinder Japanのトップになって約半年が経過しました。どんな取り組みをしてきましたか?
日本市場でマッチングアプリはこれから大きくなっていくので、先ほど話した企業の価値や、サービス内容をより多くの人に伝える取り組みをしてきました。欧米でマッチングアプリはまさに一般的な「普通」の存在なのです。
例えば05年から12年までの間で、米国で結婚したカップルの3分の1はマッチングアプリで出会っているという統計があります。また、20年にマッチングアプリで出会ったカップルの26%がTinderというデータもあります。Tinderのレナータ・ナイボーグ最高経営責任者(CEO)は、夫ともTinderで出会っています。マッチングアプリが「ニューノーマル」という時代が世界的には来ています。
一方、日本ではまだまだ「ノーマル」ではありません。ただポストコロナの時代にはマッチングアプリの勢いは加速していくはずなので、ノーマルとして確立させて、世間一般に受け入れてもらいたいと思っています。
――ほかに面白い取り組みはありますか?
「Gen Z in Action」というのを始めていまして、若者が取り組んでいる活動の周知をTinderが手伝いっていくものです。その第1弾として、プラスチック問題の解決策としてステンレス製のマイストローを提案するノイハウス萌菜さんと、草ストローのプロジェクトを立ち上げた大久保夏斗さんという2人の若者を対談してもらいました。私が偶然、彼らの記事を読んで、対談の企画を持ちかけました。
――日本のZ世代を理解するために、どうやってアンテナをはっていますか?
私はTwitterとInstagramはヘビーユーザーで、かなり見ています(笑)。自己表現の仕方も考え方も私たちとは違い、世代間のギャップを感じます。だからこそ把握しておく必要があると考えています。Z世代に人気な「SHIBUYA109」に足を運び、店の人と話をしたりするのですが、私たちの世代は「〇〇系」といった自分のファッションの好みがありました。
一方、Z世代は会う人によってファッションを変えるそうです。また、オタクというとマイナスのイメージがありますが、Z世代の子は「オタ活」といって、ネガティブどころか誇りを持っていそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング