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» 2021年11月12日 10時30分 公開

住友商事・南部智一副社長に聞く商社ビジネスの展望 J:COMを通じたコンシェルジュサービスを構築住友商事の挑戦【後編】(3/5 ページ)

[中西享, 今野大一,ITmedia]

メッシュWi-Fiが好調

――ベトナムのマネージドケア事業者に出資したそうですが、海外の医療周辺ビジネスにも力を入れようとしているのでしょうか

 マネージドケアは日本ではなじみが薄いですが、欧米やアジアでは一般的で、公的医療制度が充実していない国で発展しつつある管理医療システムです。特に東南アジアでは、急速な人口増加と経済成長による医療需要の拡大により、医療費の抑制や高度な医療サービスを提供するマネージドケア事業者に対する期待やその役割が大きく向上しています。19年にマレーシアで2社のマネージドケア事業者に出資参画した経験をもとに、更なる拡張をはかるべく、次はベトナムでも手掛けることにしました。

 今後は、マネージドケア事業者に集まる個人の健康状態に関するデータをマネージすることで、病院や製薬会社などの医療機関、保険会社に対する情報提供サービスの競争力を高めていきたいと考えています。また、世界各国のヘルスケア市場において企業・民間医療保険会社や個人と医療機関をつなぐ存在として、良質で効率的な医療サービスを提供することを目指します。

――住商が出資した米国のベンチャーが開発した「メッシュWi-Fi」機器が、マンションなどでよく売れているようです。何が良かったのでしょうか。

 このサービスは、当社が米国のベンチャー投資会社を通じて「メッシュWi-Fi」を取り扱う会社に出資、情報サービス会社のSCSKが販売代理店となっています。19年から「J:COMメッシュWi-Fi」としてJ:COM で販売しています。

「J:COM メッシュWi-Fi」は、AI などの技術を用いることで、Wi-Fi 使用時における接続不安定、速度低下といった問題を解決します。2台のメッシュWi-Fi機器を設置することで、広範囲で安定した接続が可能になります。また、端末ごとに最適なWi-Fiが自動接続されるので、家族で同時に使えます。接続が不安定になりやすい、モデムから離れた場所でもつながります。コロナ禍でテレワークが増えたこともあり、販売は好調です。

――デジタルデータの活用により、業務プロセスや生産性を向上できるスマートファクトリーにも取り組まれています。その狙いは何でしょうか。

 工場をマネージするときに、材料のキズなどを点検するのに、ローカル5Gを活用しAIカメラでチェックすれば省力化や精細な点検ができるようになります。最終的には人間が点検するにしても、工場に行かなくても点検ができます。

 この実証実験(令和2年度総務省「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」における取り組み)を1月から当社グループである住友商事グローバルメタルズ子会社のサミットスチールの大阪工場で始めました。これが実用化できたら、この点検手法をパッケージ化したものを売っていきたいと思います。

 また12月からは、電車や駅に取り付けた高精細カメラとローカル5Gを活用して、線路の異常を検知する実験(令和3年度総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」における取り組み)も実施します。どちらの実証実験も、現場作業の自動化、省力化につながることを見据えており、労働人口減少・熟練技術者の減少などといった社会課題解決に資する取り組みにできればと思います。

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