ワークマン、自社PB製品の価格据え置きを決定 全売り上げの6割

» 2022年02月03日 16時50分 公開
[秋月かほITmedia]

 ワークマンは2月1日、全売り上げの62%を占めるPB製品の価格を据え置くことを発表した。円安・原料高・輸送費高騰の影響で食品やガソリン、光熱費などの値上げが続く中、製品の「機能性とコストパフォーマンス」を誇る同社は自社PB製品の価格を維持する。

photo 公式Webサイトより

 同社はビジネス環境を取り巻く円安・原料高・輸送費高騰の影響を受け、今年の春夏物からPB製品の値上げを検討していた。しかし同社の製品は「機能と価格が優れている」という点からファンになった新規顧客が多く、値上げはブランドイメージを毀損する可能性がある。また「WORKMAN Plus」と「#ワークマン女子」で獲得した、まだ完全に固定客化していない新規顧客の離反を防ぐためにも、値上げを避ける必要があると判断したという。

 さらに同社のPB製品は980円・1900円・2900円・3900円といった価格に設定されているため、大幅な値上げしかできない構造となっている。また同じデザインで耐久撥水ウェアが2900円であれば、防水ウェアは3900円に設定されているなど、価格には規則性が設けられている。そのため機能を見れば価格を推定できるようになっており、値札を見ずに購入する顧客が多いという実情もある。

 上記の理由から、同社は極端な円安・原料高・海上運賃の高騰などが同時に進行する場合を除き、収益面で大きな影響が出ない範囲でPB品の価格を据え置く方針。

 なお「守り」の姿勢としてPB製品の価格を据え置く一方、強みである機能性を更に高めた製品(機能性ウェア)で独自の市場を創出する「攻め」の姿勢で増収を目指す。

photo WORKMAN Plus 南砂町SCスナモ店

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