ネット世代に人気を博しているはじめしゃちょー氏。意外にもインタビューでは「実体験することの大切さ」を語った。今後のクリエイターとしての活動でも"リアル"を大切にしていきたいと話す。
「インターネットが普及していて、何でも調べれば出てくるし学べる時代です。ではどうやってセンスを磨くのか。それは実際に体験する、手で触ってみる、目で見るといったリアルを大事にすることだと思うんです。こういう時代だからこそリアルを大事にしていきたい。リアルを大事にすることによって人間としての魅力も増すと考えています」
先述した「世界最大級のグミを1人で食う!」以外にも、はじめしゃちょー氏の人気コンテンツには「コーラ風呂に体中メントスで入ってみた」「スライムで風呂作ってみた」など実験をテーマにしたコンテンツが多く並ぶ。そこに共通するのは「しょうもなさ」だと話す。
「"しょうもない"ってすてきなことだと思うんです。"しょうもない"にどこまで本気を出せるか。これは『トムとジェリー』を参考にしています」
考えてみれば「トムとジェリー」にも難しい話は一切でてこない。単なるトムとジェリーのドタバタ劇だ。だが、そのしょうもなさが多くの視聴者の心を打っている。
ともすると過激な映像づくりや、誤解を招くような表現も生まれ、「炎上」することも少なくないYouTuberをはじめとするコンテンツ業界。ネットメディアだけでなくテレビや広告業界でも配慮を欠いたコンテンツには批判が生まれることが少なくない。
そんな中、はじめしゃちょー氏のコンテンツは、視聴者の感情を先回りして、言葉がなくても伝わる「表情」をつくり、読み手の解釈がずれにくい編集を施している。これらの表面的には見えにくい、だが地道な努力が、国境を越え、1000万人以上に影響力を持つトップクリエイターに押し上げた。
その一方、80年以上を経ても愛される「トムとジェリー」は、30代の子育て世代にも根強い人気を誇り、マクドナルド、ファミリーマート、かっぱ寿司など、食品系ブランドとのコラボが絶えない。
この両者のコンテンツ力の秘密には、普遍的な「仕掛け」と「表情」の分かりやすさが隠されている。
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