本職デジカメにあってiPhoneにないものは「ズームレンズ」だー、とばかりに各社のコンデジはズーム倍率を上げてきて、2013年のモデルたるやすげー小さくて軽いのに10倍ズームは当たり前、みたいになってきている昨今、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
確かにiPhoneには(とりあえずiPhone5の段階では)ズームレンズは搭載されてない。撮影できる範囲は固定である(焦点距離がひとつなので、単焦点レンズといいます)。
普段はそれでもあまり困らないけど、ときどきもっとでかく、アップで撮りたいって思うことがある。
そんなときのために「デジタルズーム」機能がある。
カメラ画面でピンチ操作(要するに2本指でうにっと広げる感じ)をすると画面がぐぐっと拡大されてデジタルズームとなる。
目いっぱいズーミングすると、ここまででかくなる。
ただし「デジタルズーム」。見た目はズームっぽいが、実は「映ってる画像の一部分だけを切り出して拡大した」ものだ。だから画質はかなり劣化する。無理矢理拡大してるからね。元の画像(つまり全体がズームしない状態)から一部を切り出して800万画素サイズに拡大して保存したものなのだ。
実際にはこんな感じ。
サムネイルで見るとデジタルズームけっこうイケるじゃんと思うかもしれないが、大きくしてみるともう全然違う。直線がもやもやしてるし、表面はざらざらしてるし、細かいところは(そもそも無理なんだけど)読めないし。特に暗所で撮ったものはノイズも一緒に拡大するので、かなりアラが目立つ。まあ、一部分を切り出した小さな画像を拡大してるから当たり前の話だ。
実際、目いっぱいデジタルズームした写真はどんくらい拡大してるんだろう、と思ったので、元画像からデジタルズームとほぼ同じ範囲を「トリミング」して切り出してみた。
iPhoneの「写真」アプリの編集機能のトリミングを使って切り出している。
いやあびっくり。いざ切り出してみたら、「428×322」ピクセルサイズ(約14万画素!)しかなかった。デジタルズームで撮った写真は800万画素相当なので、14万画素を800万画素に超拡大してるのだ。ある意味、すごい。いったい何倍に拡大してるのやら、それでこれだけそこそこ見られる画にしているのだからデジタル画像処理技術ってえらいもんやね。
もっともこれは極端な場合。普通はここまではやらない。
デジタルズームがどのくらい使えるかは「最終的にどのくらいのサイズで鑑賞するか」とほぼ同義なんだけど、感覚的には、デジタルズームスライドバーの半分くらいで止めといた方がいいかと思う。それなら拡大した時の劣化感もあまり感じないで済む。
これならなんとか使えそうな感じでしょ。
で、今回、今までiPhoneで撮ったデジタルズーム写真をサンプルとして載せようと思って探したのだけど、わずかしかありませんでした。
小田原の海で撮影。たまたま、えっと、これなんていうのだろう。背中にプロペラを付けて自力で飛べるパラセイリングみたいなのを見つけて、あ、さすがにこれは遠い、デジタルズームだ、とちょっとズーミングして撮ったもの。iPhone 4Sで撮影
これはかなりデジタルズームをかけてる。甲州街道沿いにあったキユーピーの工場が解体されている最中、時計の上でくるくる回っていたキユーピー人形が最後まで生き残っていたので今のうちにと道路の反対側から撮ったもの。iPhone 4Sにてつまり、個人的にはほとんど使わない機能なのですな。
でもいざというときはそれなりに有効なので必殺技としてどうぞ。
普段デジタルズームは使わない。じゃあどうしてるかというと、写真を公開するとき、アプリで必要な範囲をトリミングして調整してるのである。
わたしが写真公開時に一番使うのがInstagramなのだけど、これは正方形専門のアプリなので写真を選ぶと最初に正方形にトリミングする。そのときピンチ操作でズーミングできるのだ。
例えばこんな風にトリミングしてやる。
撮影時のデジタルズームとの違いは簡単。デジタルズームは切り取った範囲を800万画素相当のフルサイズに「拡大」する。アプリ上でのトリミングは指定した範囲を切り取って終わり(つまり画像サイズはその分小さくなる)。
でも、実際800万画素のフルサイズが必要なケースってあるかといわれると、ほとんどない。実際には2〜300万画素分あれば十分楽しめるわけで、たいていの場合、あとからトリミングした方が便利だったりするのである。
まあトリミング(切り取り、あるいはクロップ)はたいていの画像処理アプリが持ってる機能。詳しくはまたいずれアプリ編でやります。
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