iOS 16のカメラはポートレートモードの“前ボケ”が可能に荻窪圭のiPhoneカメラ講座

» 2022年09月16日 10時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 iOS 16では写真の切り出し機能が注目されているが、実はカメラ機能もアップデートされている。それは、ポートレートモードで前ボケをかましてくれるようになったことだ。

 ポートレートモードってもうすっかりなじんでいるのだけど、使ってみると分かるのは「背景はボカしてくれるけど、前景はそのまんま」なのである。

 光学的な「ボケ」はピントが合っていない範囲に生じるもので、当然被写体の背景のみならず手前にあるものにも発生すべきなのだが、iOSのポートレートモードは手前を無視していたのだ。

 で、iOS 16ではしれっと手前もぼかしてくれるようになったのである。こちらはほぼ同じようなセッティングでiPhone 13 Pro+iOS 16とiPhone 11 Pro+iOS 14で撮り比べたもの。iOS 16のポートレートモードで撮ると、背景のボケは変わらないけど、前景のボケが大きく違うのが分かると思う。

iOS 16 左がiOS 16、右が旧バージョンでポートレートモード(カメラは1x)で撮り比べたもの。手前のボケの差に注目。

 撮影前のプレビューでもボケをリアルタイムで見せてくれるのがいい。

iOS 16 この時点で手前も奥もボケているのが分かると思う。前ボケは新しい機能だ
iOS 16 実際にポートレートモードで撮影した写真。主要な被写体にだけフォーカスが来ていて全体にすっきり

 ちなみに、通常の写真モードで撮ったものはこちら。

iOS 16 ポートレートモードは使わず、通常の写真モードで撮影。前後のボケがないぶんごちゃっとしている

 写真を撮るとき、前ボケを上手に使え、ってのは昔からよくいわれることだしな。

iOS 16 iPhone 13 Proの3xのポートレートモードで。地味だけど、こういう奥行きのあるシーンでは前ボケはとても重要なのだ

 残念なのは「前ボケ」だけを楽しむ撮り方ができないこと。相変わらずポートレートモードでは遠景を撮ろうとすると「2.5m以内に被写体をおいてください」といわれるのだが、遠景を撮影しつつ手前の被写体を大きくぼかした「わざと近距離にある前景をぼかして印象づける」写真もあるわけで、ぜひアップデートでそういう撮り方にも対応していただきたいと思う次第である。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年