さて、ダイソン掃除機の目玉であるルートサイクロン部分はどうなのだろうか。
本機では空気の経路を再設計し、気流の効率をアップすることで0.5マイクロメートルの微細な粒子まで確実に分離するという「ラジアルルートサイクロンテクノロジー」(Radial Root Cyclone Technology)が採用されている。モーターに手を加えて回転翼による音を抑えたほか、モーター自体を専用のボディに包み込んで球形の本体に格納し、排気口内部に緩衝材を設けて排気の速度を落とすなどして運転音の低減を図っている。
クリアビンを含めてサイクロン部分は約630グラムと軽量で、本体とはボタン1つで着脱が可能だ。ゴミがたまったら(クリアビンに刻印されたMaxの線に達する前に)、本体からサイクロン部分を取り外し、赤いボタンを押してクリアビンのふたを開けてゴミを捨てよう。大部分のゴミはこれで済むが、サイクロンに付着したゴミはクリアビンを外して取り除く必要があり、できれば細かいホコリをかき出す筆やブラシがほしいところだ。なお、サイクロン部分はから拭きのみだが、透明なクリアビンは汚れが目に付いたら水洗いできる。
筒状のフィルターは簡単に取り外せ、水洗いも可能だ。外箱やマニュアルには4年を目安に洗浄するよう注意書きがあり、1週間試用した限りでは目立った汚れはなかった。
前ページで触れた通り、本機のクリーナーヘッドには空気の力で回転するタービンヘッドが備わっており、ブラシの回転オン/オフはヘッドの脇にあるボタンで切り替える。フローリングなどを掃除するときは回転をオフにし、カーペットなどは回転をオンにすることでホコリをかき出す仕組みだ。モーターヘッド搭載モデルには、クリーナーヘッド専用のモーターが内蔵され、より強力にカーペット奥にあるホコリやペットの毛を取り除く。
回転ブラシはカーボンファイバブラシとナイロン製ブラシの2重構造になっており、ブラシにゴミが絡まったらヘッド部分から取り外して洗浄できる。クリーナーヘッドの付け根には「V-Ballテクノロジー」が搭載され、ヘッド部分が柔軟に動くようになっている。
クリーナーヘッドを始めとして、豊富なクリーニングツールやノズルが付属するのも本機の魅力である。重量が約415グラムある伸縮式のパイプは55〜84センチの範囲で調整でき(9段階)、その先にクリーナーヘッドを含めて6種類のツールやノズルを装着可能だ(これらは、ホースに直接取り付けることもできる)。
やわらかいブラシで窓のブラインドなどを掃除する「ソフトブラシツール」から、先端が曲がる「フレキシブル隙間ノズル」、先端のブラシが奥に引っ込む「コンビネーションノズル」などユニークなものが多い。用途に応じて選べるのはうれしいが、これらをまとめるケースなどは付属せず、収納の際は自前で工夫しなければならないのは少々残念だ。
次のページでは、いよいよラジアルルートサイクロンテクノロジーの実力や本機の使い勝手について見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR