iPhoneユーザーは男っぽい? Touch the Numbersのテクノードに聞く:iPhoneアプリビジネス最前線(2/2 ページ)
拡大を続けるiPhoneアプリ市場。連載「iPhoneアプリビジネス最前線」では、世界を相手に戦うiPhoneアプリビジネスの旗手たちに話を聞く。聞き手は、iPhoneアプリ向けの広告配信サービスなどを手がけるノボットの小林清剛社長。第2回は「Touch the Numbers」などを手がけるテクノードの水野代表取締役に聞いた。
小林 携帯電話業界と比べて、iPhone業界独特の働き方はありますか?
水野 戦略の立て方が違いますね。携帯電話のコンテンツも作っていますが、こちらは情報を客観視し、分析して戦略を立てていました。ですがiPhoneでは、自分がユーザーの視点と近いので主観的に作っています。それが楽しかったりもするんですけどね。そもそも現段階でiPhoneのモデルユーザーというものはまだ確定できていないですし、しないほうがいいと思っています。現段階でモデルとなるユーザーが確立されていませんし、今後どのように変化していくか未知数ですので。
あとは、iPhoneアプリはプロジェクトあたりの工数が少なく期間が短いので、企画からコーディングまで全部やってしまうような優秀な個人や、小規模だけど個性的なゲームを作る開発会社と一緒に仕事したいと思っています。日々、ネットや人づてでそういうパートナーを探しているところです。
日本のゲームは世界的に見てクオリティが高いので、小さなゲーム開発会社でも相当の技術力をもっているんですが、iPhoneデペロッパーのアカウントを取るのが面倒だったり、今さらデベロッパーになりたくないとか、言語の壁、不況などが相まって直接、自分達でアプリをリリースしようとは思わないみたいなんですね。とてももったいないなと感じています。なので、コンタクトをとって、お会いして、ネットワークを築き、一緒にお仕事をさせてもらうケースが増えてきています。
小林 今後はどのようなことをやっていきたいですか。
水野 iPhoneアプリでの収益について言えば、今後2~3年は、広告と課金の両面で進化していくのではないでしょうか。広告は、エンターテイメント的な進化の余地がまだまだありますし、広告に見えない広告、つまり新しい広告の見せ方(形)を考えていくのが重要です。課金に関しては、iモード課金のように月額課金、個別課金などを自由に組合わせるように進化していくはず。こうした課金軸に合わせたサービスや企画の作り方を考えていきたいです。
まあ結局、中身が一番重要なので、ゲームを作っていた開発者やこれから作りたいという学生などともっと一緒にやっていきたいですね。自社開発のものでは既存のゲームの形に縛られず、ネットやTwitterやFacebookなどのプラットフォームをうまく活用してさまざまなアプリケーションを作っていきたいと思っています。また、映画や音楽の分野は、もともとリッチなコンテンツをもっているところが多く、アプリ上でそれを表現したときにもっと面白いことができると思っているのでクライアントとして一緒に組んでみたいですね。
聞き手 小林清剛(こばやし・きよたか)
1981年東京都生まれ。ノボット代表取締役社長。学生時代から起業し食料品の輸入販売・インターネット通販事業を開始して、コーヒー豆・器具を約3000品販売する日本最大級のコーヒー通販サイトを運営。同時に、人材、教育、エンターテイメントなど十数社の事業立上げに参画。2009年4月に株式会社ノボットを設立して、現在は国内外のスマートフォン用アプリへのアドネットワーク事業、アプリの企画・開発、およびプロモーション事業を展開している。
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