ラスベガス通信事情〜もう出張は怖くない?:2004 International CES

» 2004年01月13日 19時53分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 138万平方フィート。これが世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショウ「2004 International CES」の広さだ。大きく5つに分かれた会場は、さらに2階建てになっていたり、中2階があったりと、ほぼ迷宮。毎年、何人か行方不明になるという噂もあながち嘘ではない(嘘)。

 そんなイヤミなほど広い展示会場のなかでは、携帯電話が唯一の通信手段となる。国際ローミングが当たり前になった今年、昨年の失敗をもとに、再度国際ローミングに挑戦してみることにした。

 同行したライターH氏は、「国際ローミングなんて、もう半年以上も前の話題でしょ」などと言うが、こちらは1年ぶりの米国である。昨年の雪辱をはらさなければ、2004年が始まらない。ちなみに、昨年のCESが終わったあと、ほんの1カ月でラスベガスもサービスエリアに入ったらしい。おのれボーダフォン。

 今回は、モバイル編集部からVGS端末「V801SA」を奪取した。V801SAは三洋電機製で、W-CDMAのほか、GSMの主要3周波数帯900/1800/1900MHzにも対応するなど、国際ローミングに関して充実した機能を持つ。ちょっとでかいが、カメラも付いているし、なんといっても通話料は別の編集部持ちだ。

V801SA。ちなみに、CESの三洋電機ブースでも展示されていた

 成田からロス経由で約13時間。ようやくラスベガス空港に到着し、スロットマシンの置かれた休憩所で一服しながら、早速日本に国際携帯電話を発信してみた。時間は昼の12時〜日本時間では早朝の5時。不幸な着信先はモバイル編集部のG記者に決定。

 国内で使うための電話番号が登録してあれば、発信はごく簡単。電話帳から番号を選び、メニューボタンを押して「国番号付加」を呼び出す。日本は81だが、ここでは国名を選ぶだけでいい。さらに「海外から発信」を選択すると、普段使っている「090〜」の番号が、「+8190〜」に変わる。あとは発信するだけ。お手軽だが、事前に設定画面で北米ネットワークを選択しているのだから、自動的に付加してくれてもいいかな。

 さて、ちょっと意地悪な気分で発信ボタンを押すと、聞き慣れた発信音が数秒流れたあと、見事につながった。「現在、電話に出ることができません」。ち。やっぱ寝てるか。

photo 国際ローミングが普及したことを示すラスベガス空港での1コマ。ライターH氏は、私が昨年失敗した「V.series 66」(モトローラ製)、ライターS氏は同じ「V801SA」(三洋電機製)
photo V801SAはカメラ付き。ダウンタウンのカジノで大黒様に会ったので思わずパチリ
photo 写真ではよく分からないが、カジノ街を覆うアーケード全体が画面となり、派手なパフォーマンスを繰り広げているところ。LG電子が製作したもので、毎日決まった時間になると、カジノはネオンを消し、客はアーケードに出て上を見上げるのだ。あんまり写真を掲載すると「記事を書かずに観光してたな」などとあらぬ疑いをかけられるので、このへんにしておく

常時接続も善し悪し

 一方、ホテルの通信環境も日本とあまり変わらない。部屋にはイーサネットポートと液晶ディスプレイ付きのインターネット端末が置かれ、24時間あたり9ドル99セントで“ハイスピードインターネット”が利用できる。昨年までは一部のホテルにしかこのような設備はなかったのだが、今年は新たにラスベガス・ヒルトンなどでもブロードバンドインターネットが整備された模様だ。

 さて、通信の発達は、人と人との距離感をなくすといわれるが、今年はそれを実感した。なにしろ、Instant Messengerさえ起動しておけば、日本の編集部とも常につながっている状態で、時差を除けば、日本にいるときと大差ない形で連絡が取れる。もちろんこれは、常に記事を催促される危険と隣り合わせということだ。さらに今年からは、席を外していても携帯電話にコールが入るようになったわけで、何というか、国際ローミングさまさまである。おのれボーダフォン。

 距離感がなくなると、中にはこんな“困ったちゃん”も出てくる。明け方の4時頃(日本時間では夜の9時)、眠い目をこすり、朝のカンファレンス開始時間から逆算して「何時間寝られるか?」などと考えつつキーボードを叩いていると、同僚のS記者がいつもの調子でインスタントメッセージを送ってきた。

 「晩飯、どうします? カレーの出前を頼みますけど」

 「牛ココナッツカレーがいいな」

 あれから3日。未だラスベガスに牛ココナッツカレーは届かない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月13日 更新
  1. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  2. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  3. 個人情報の流出にユーザーはどう備える? 乗っ取りやクレカ不正利用を防ぐ「3段階」の対策ガイド (2026年10月12日)
  4. 楽天モバイル、KDDIローミングが大幅に縮小――ユーザーに対する説明責任はないのか (2026年10月11日)
  5. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  8. 10月1日から楽天モバイルの「au 4G LTEエリアローミング」が縮小も意外と残っている件 (2026年10月10日)
  9. 【ワークマン】4900円の「アーバンライトバックパック」 豊富なポケットやナスカン&バックル付き (2026年10月11日)
  10. POCO F9 Ultraのベースモデル「REDMI K100 Pro Max」はバッテリー容量とカラバリに違いがある (2026年10月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー