Opera搭載「AH-K3001V」の通話/メール機能を試す(3/3 ページ)

» 2004年05月31日 22時44分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 隠れ機能的に面白いのは、待ち受け画面からの受信ボックスと送信ボックスの表示だ。ページアップで受信ボックス、ページダウンで送信ボックスの表示が可能だ。

 ただ、H"Eメール以外でも定期的にメール受信を行うなど、「定額制」を生かした機能が付加されなかったのは残念。30分や1時間間隔でも自動受信ができれば、手軽に携帯できるEメール端末としての利便性は向上しただろう。

 また問題なのは、添付ファイルを受信しきれないEメールがあると、そこでアカウントごとのEメール受信が中断されてしまうことだ。受信行数制限もうまく機能しないようで、原因になったEメールをメールサーバから削除しないかぎり、何度受信操作を行ってもそれ以降のEメールを読み出せない。

 350Kバイト以上の添付ファイルを受信できないのは仕様だが、ほかのEメールまで読み出せなくなるのは大きな問題だ。ふだんPCなどで使っているアカウントのメールを受信できるのが特徴である以上、「受信しきれないEメールはスキップする」といった形で対処すべきだろう。ファームウェアのアップデートによる対応を強く望みたい。

大きな添付ファイルがあると“メモリが一杯です”と表示され、メール受信が中断される。物理的に受信できないのは仕方がないが、残りのメールを読み出せないのは困る

本格的な「予測変換」を装備〜日本語入力

 DDIポケットの音声端末で、最も携帯電話に遅れをとっていたのが日本語入力だろう。三洋電機製の音声PHS端末「H-SA3001V」(2003年6月の記事参照)では、読み先頭1文字からの予測変換機能を搭載していたが、あくまで簡易な読み予測変換に留まっていた。AH-K3001Vは“モバイルWnn V2”を採用、DDIポケットの音声端末では初めて本格的な予測変換機能が使えるようになった。

 日本語入力時には、読みを一文字入力するたびにオーバーラップウインドウに読み予測による変換候補一覧が表示され、上下キーで選べる。初期状態で、一定数の読み予測変換候補が登録されており、簡単な文章なら予測変換だけで十分入力できる。予測候補の一覧時にもページスクロールが可能なので、候補数が多い場合の候補検索でも、それほどストレスはたまらない。

 購入直後の日本語入力。予測変換辞書は最初から豊富に登録されており、予測変換だけで簡単な文章の入力なら十分こなせる

 ただオーバーラップウインドウを使う関係からか、素早い読みの入力に対しては候補表示が追いつかない。文字入力の取りこぼしはほとんどないが、候補選択が可能になるまで待たされることも多い。予測変換を無効にすればいいのだが、利便性とのトレードオフになってしまうのは残念な点だ。

 英文字や数字入力時でも変換操作が有効で、2バイト/1バイト文字への変換、英文字なら先頭のみ大文字への変換なども可能。記号や絵文字の入力は一覧形式から選べ、連続入力もサポートしている。

 記号や絵文字は一覧から4方向キーで選択し、右ソフトキーで連続できる

 日本語入力では、次文節予測に対応していない点が少々残念だが、基本機能では最新の携帯電話と比べても大きく見劣りはしなくなった。「音声とEメール利用が中心」というユーザーでも、機種変更するメリットは大きい。

音声端末、Eメール端末としても魅力的

 AH-K3001Vの最大の魅力が、Opera搭載による高度なブラウジング機能であることは間違いない。ただEメール端末としての機能も、POP3/SMTP対応はもちろん、強化された振り分け機能や日本語入力機能などは、携帯電話の水準に達している。音声通話のクリアさはPHSならではで、対PHSや固定電話での自然な音質も大きな魅力だ。

 もっとも気になる点も多い。普通に扱っていても「ミシミシ」とキシみ音が聞こえるのは不安になる。また設定操作で動作が妙に緩慢に感じる部分もあるので、キー操作に対するレスポンスに不満を感じるユーザーは多いかもしれない。オーバーラップウインドウの多用が原因だとすれば、もう少し表示をシンプルにできる“選択肢”があってもよかった気がする。

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