電子マネー戦争「SuicaとEdyは競合する」〜JR東Interview(後編)(2/2 ページ)

» 2004年08月20日 15時11分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 「最後はどうなるか分からない。ただ、競争になるかといわれれば、やはり競争になると思う」

 「EdyとSuicaの両方で使えるリーダー/ライターが登場すれば、共存できるという意見もある。もしかしたらそうかもしれないが、それでもなお、我々は『Suicaを使ってほしい』と思うし、ビットワレットさんも『Edyを使ってほしい』と思うはずだ」

 電子マネーサービスでは基本的に、運営事業者が手数料収入を受け取るビジネスモデルになっている。Suicaの場合も、料率は明かされなかったが「駅以外、グループ以外の企業に採用されれば、そこから収益が上がる」(同)。逆にいえば、自社の電子マネーが多く流通しなければ、当然ながら収入も少なくなる。業界で多くのシェアを得たいと考えるのも、当然だろう。

 同氏はまた、Suicaでは駅の券売機というインフラを構築済みであることに触れ、“リアル”の場で手軽に現金をチャージできることを指摘する。

 「私はSuicaのほうが、使い勝手がいいと思う。そもそも、Edyでは電車に乗れないが、Suicaなら乗れる。あまりビットワレットさんを刺激するつもりもないのだが……(笑)。」

 今後、焦点となるのはセブンイレブン、ローソンといった“最大手”コンビニチェーンがどちらの電子マネーを採用するか。山田氏は「採用してもらえれば、それは我々としてもとてもありがたい。しかし、その交渉については申し上げられない」とした。


 Suicaによるショッピングサービスは現在、1日約5万件の利用がある。多い店舗では、1日の総売上金額のうち約15%を、Suica利用金額が占めるという。

店舗 利用件数(6月末)
NEWDAYS 渋谷中央口 569件
NEWDAYS 田町 559件
NEWDAYS 大崎 533件
NEWDAYS 東京八重洲南口 513件
NEWDAYS 大宮西口 504件
 NEWDAYSはJR東の子会社東日本キヨスクが展開する駅内のコンビニエンスストア

 JR東日本では7月14日に、Suicaのショッピングサービス担当部署であった「ITビジネス推進プロジェクト」を「ITビジネス部」に格上げした。同時に増員を行い、加盟店拡大に向けた提携交渉を担当させるなど、事業拡大に本腰を入れる。

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