第1回 90xiの時代に何を作るか90xi専用ゲームiアプリ開発講座(2/2 ページ)

» 2004年10月18日 15時59分 公開
[澤橋辰典・武上将樹,ITmedia]
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いま何をつくるか

 2004年には900iシリーズ同様、506iシリーズも発表されている。しかし、販売数の伸びは900iシリーズと比較して思わしくない(8月10日の記事参照)。ユーザは900iを非常に魅力的に感じている。iアプリを積極的に使うようなアクティブなユーザであれば、特にそうだ。

 iアプリ配布サイト「アプリ★ゲット」の利用者統計を見ても、50%以上が既に900iシリーズのユーザーである。しかし、一方で900iに対応しているアプリはあまり多くはないのが現状だ。900iの特性を生かした、専用のアプリはほとんど見当たらない。

系列 比率 対応本数
900i系 51.70% 819本
505i系 29.02% 1218本
旧FOMA 8.22% 842本
504i系 7.83% 1402本
506i系 1.70% 343本
503i系 0.41% 1054本
その他 1.22% -
アプリ★ゲット利用端末比率
利用比率は2004年9月7日現在
対応本数は2004年9月30日現在

 900iユーザーは、どのようなアプリを求めているのだろうか。綺麗なグラフィックやサウンドが豊富なアプリというのもその1つの答えだろうが、グラフィックスやサウンドは制作にコストも時間もかかるという制約がある。

 パケット定額時代ならではの、ネットワークを存分に使ったアプリも訴求力が高いだろう。カメラのように標準搭載された高機能なデバイスを駆使したものも面白い。900iは、まるで宝箱のように、さまざまな可能性を秘めている。開発者の発想しだいで、ユーザをいくらでも驚かせることができるのだ。

 本講座では、これらを踏まえて、ネットワーク対戦機能を備えたトレーディングカードゲームを開発しながら、900i時代にふさわしいiアプリの作り方について解説する。

 まず基本的なiアプリの作り方から始める。次に、カメラ機能を使って「トレーディングカード」を作ることを通じて、カメラAPIとスクラッチパッドの使い方を学ぶ。続いて、ネットワーク対戦機能を実装しながら、サーバサイドを活用したネットワークiアプリの作り方を解説する。余裕があれば、QRコードなども盛り込んでいければと考えている。

 iアプリを開発する上で、必要な開発ツールは以下のとおりである。すべて無料で入手することが可能だ。

開発ツール 入手URL
JAVA2 SDK 1.3 http://java.sun.com/
j2se/1.3/ja/download.html
iappliDevelopmentKit http://www.nttdocomo.co.jp/
p_s/imode/java/tool_foma2.html
DOJAリファレンス3.5 http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/java/
使いやすいエディタ

 次回は、トレーディングカードゲームの基礎となる、シンプルなカードバトルを作りながら、iアプリ開発の基礎について解説していく。上記中で足りないものがあれば、準備しておいていただきたい。

筆者紹介──澤橋辰典・武上将樹

 ケータイアプリ(iアプリ/EZアプリ/Vアプリ)のNo1ポータルサイト「アプリ★ゲット」を運営するスパイシーソフトに勤務。

 澤橋は学生時代、iアプリのコンテストでゲームアプリやツールアプリを制作し、入賞経験がある。また、所属していたサークルの後輩に、ものづくりの楽しさやアプリの奥義を授け、その後輩も入賞していることから、自らをiアプリエヴァンジェリスト(伝道者)と呼んでいる。現在も大手企業にOEM提供しているアプリの開発を行っている。

 武上は、イーアクセスとの共同事業「どこでも読メール」や、各社にOEM提供しているアプリメールサービスなどで、主にサーバサイドやデータベースまわりの開発を担当している。ゲームアプリは、もっぱらプレイ専門。

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