2004年には900iシリーズ同様、506iシリーズも発表されている。しかし、販売数の伸びは900iシリーズと比較して思わしくない(8月10日の記事参照)。ユーザは900iを非常に魅力的に感じている。iアプリを積極的に使うようなアクティブなユーザであれば、特にそうだ。
iアプリ配布サイト「アプリ★ゲット」の利用者統計を見ても、50%以上が既に900iシリーズのユーザーである。しかし、一方で900iに対応しているアプリはあまり多くはないのが現状だ。900iの特性を生かした、専用のアプリはほとんど見当たらない。
系列 | 比率 | 対応本数 |
---|---|---|
900i系 | 51.70% | 819本 |
505i系 | 29.02% | 1218本 |
旧FOMA | 8.22% | 842本 |
504i系 | 7.83% | 1402本 |
506i系 | 1.70% | 343本 |
503i系 | 0.41% | 1054本 |
その他 | 1.22% | - |
900iユーザーは、どのようなアプリを求めているのだろうか。綺麗なグラフィックやサウンドが豊富なアプリというのもその1つの答えだろうが、グラフィックスやサウンドは制作にコストも時間もかかるという制約がある。
パケット定額時代ならではの、ネットワークを存分に使ったアプリも訴求力が高いだろう。カメラのように標準搭載された高機能なデバイスを駆使したものも面白い。900iは、まるで宝箱のように、さまざまな可能性を秘めている。開発者の発想しだいで、ユーザをいくらでも驚かせることができるのだ。
本講座では、これらを踏まえて、ネットワーク対戦機能を備えたトレーディングカードゲームを開発しながら、900i時代にふさわしいiアプリの作り方について解説する。
まず基本的なiアプリの作り方から始める。次に、カメラ機能を使って「トレーディングカード」を作ることを通じて、カメラAPIとスクラッチパッドの使い方を学ぶ。続いて、ネットワーク対戦機能を実装しながら、サーバサイドを活用したネットワークiアプリの作り方を解説する。余裕があれば、QRコードなども盛り込んでいければと考えている。
iアプリを開発する上で、必要な開発ツールは以下のとおりである。すべて無料で入手することが可能だ。
開発ツール | 入手URL |
---|---|
JAVA2 SDK 1.3 | http://java.sun.com/ j2se/1.3/ja/download.html |
iappliDevelopmentKit | http://www.nttdocomo.co.jp/ p_s/imode/java/tool_foma2.html |
DOJAリファレンス3.5 | http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/java/ |
使いやすいエディタ | − |
次回は、トレーディングカードゲームの基礎となる、シンプルなカードバトルを作りながら、iアプリ開発の基礎について解説していく。上記中で足りないものがあれば、準備しておいていただきたい。
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