半導体が調整局面に ルネサス、売り上げ下方修正へ

» 2004年11月04日 16時58分 公開
[小林伸也,ITmedia]

 デジタル家電景気に沸いた半導体市場が調整局面に入ってきた。ルネサステクノロジは11月4日、本年度下期の売り上げ予想を下方修正する見通しを明らかにした。

 セットメーカーの在庫増や携帯電話市場の軟化で需給が緩み、価格下落が止まらないためで、2005年は半導体市場全体のマイナス成長も予想する。ただデジタル家電市場自体の成長は続く上、2005年後半から2006年にかけて回復に転じ、前回不況ほどの打撃はないとの予測だ。

 同社の本年度上期売り上げ高は計画通りの5135億円、営業利益は計画を上回る364億円。通期では当初、売り上げ高1兆900億円、営業利益600億円を見込んでいたが、伊藤達社長は「下期はかなりブレーキがかかる。営業利益は何とか目標通りだが、売り上げは下方修正せざるをえない」とした。修正幅は現時点では不明だが「1けたから10%のレベルで変わる可能性がある」(伊藤社長)。

 特に影響したのは、売り上げ高の3割を占める携帯電話関連だ。液晶ドライバは売り上げ自体は5−10%伸びたものの、当初計画の2割減にとどまった。国内携帯電話市場の縮小に加え、中国で端末メーカーの在庫が拡大しているなどの変動要因に引きずられた。パネルメーカーの生産オーバーも影響し、値下げ要求も厳しさを増している。

 フラッシュメモリは価格下落が激しい。特にNAND型は容量によっては半年で2−4割下落する深刻さ。ルネサスはNANDの一種で独自の「AG-AND」型を販売しているが、携帯市場の縮小に加え、需要が一巡した国内デジタルカメラ市場にもブレーキ。フラッシュへの新規参入も相次ぎ、セットメーカーからの値下げ圧力が強まっているためだ。

 同社は従来、2006年がマイナスと予想していたが、これが前倒しになってきていると見る。「底の確たる見極めはまだできていない」(伊藤社長)が、「生産在庫は従来より小さい。大在庫の深い底とは思っていない」(同)。ITバブル崩壊でこうむった前回の大不況ほどの打撃はないとの見方だ。

 前回の教訓を踏まえ、各半導体メーカーとも無理な設備投資は控え、生産能力の過剰は抑えてきた。また「携帯向けが市場変動大きいのは最初から承知していたこと。これに早く、しっかり対応していくということ」(伊藤社長)。的確な生産調整や社内コスト削減で乗り切る考えだ。

 このため、今後も携帯・自動車・デジタル家電の3本柱への注力する方針は継続。当初の設備投資計画約900億円は変更しない。

 電子化が進み堅調な自動車向けマイコンに引き続き力を入れるほか、NTTドコモとの共同開発を進めているW-CDMA/GSMワンチップLSI(関連記事参照)など、他社との協業を含めた新技術の開発を推進する。AG-ANDフラッシュは、7月から1Gビット品の量産を100万個規模に拡大。12月には4Gビット品の量産を開始し、大容量品へのシフトを急ぐ。

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