災害用伝言板サービス【さいがいようでんごんばんさーびす】

» 2005年02月01日 19時41分 公開
[江戸川,ITmedia]

 災害用伝言板サービスは、大型の台風や大地震などによる災害発生時に、被災地との電話が通じなくとも家族や知人の安否が確認できるサービス。NTTドコモは「iモード災害用伝言板サービス」を提供しており、2005年1月31日からauとツーカーグループもEZwebにて同様のサービスを開始した。

 災害発生時には、電話網に直接の被害がなくとも輻輳(ふくそう)(用語参照)によって電話がかかりにくくなる。そこでNTTドコモでは、ネットワークにあまり負荷のかからない、iモードによる伝言板サービスを開発した。ドコモは電話網とパケット通信網のトラフィック制御を分離しており、電話がかかりにくくてもパケット通信ならつながる可能性がある。

 同じパケット通信でも、iモードメールはメールセンター側の大量の送受信処理によって遅延が発生する可能性が高く、安否確認のような一刻を争うケースには向いていない。被災地の電波の不安定な状況なども考えれば、リアルタイムにメッセージを残せる伝言板(掲示板)の利用がベストとなる。

 iモード災害用伝言板サービスが利用可能となるのは、災害の発生時に限られる。日常的に伝言板として利用することはできないが、避難訓練のように体験利用することはできる。ドコモでは毎月1日(1月1日を除く)に「災害用伝言版体験サービス」を提供中だ。通信料は有料で、アクセス方法は「iメニュー」−「お知らせ&ヘルプ」。

 auとツーカーグループは、2005年1月31日からのサービス開始と共に、ドコモのサービスとの相互リンクを行うことになった。ボーダフォンも同様のサービスを準備中(2004年10月25日の記事参照)とのことだが、詳細は明らかにされていない。

 ちなみにiモード災害用伝言板の原型となったのは、NTT東日本とNTT西日本が提供する「災害用伝言ダイヤル(171)」だ。これは被災地もしくはそれ以外の地域から、1メッセージ30秒の伝言を音声で吹き込むというもの。携帯電話、PHS、公衆電話からの利用も可能で、自宅の電話番号をキーとすることによって、いずれの地域からでも再生できる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー