見えてきたWiMAXと携帯、融合のシナリオ(前編)(2/2 ページ)

» 2005年07月04日 00時50分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 ここで注意しておきたいのだが、ひとくちにWiMAXといっても「固定寄り」技術と「モバイル寄り」の技術がある。前者はIEEE 802.16-2004であり、後者はモビリティを追加して改良したIEEE 802.16eと呼ばれるものだ。

 IEEE 802.16-2004が半径最大50キロをカバーし、最大75Mbpsの通信速度を実現するのに対し、IEEE 802.16eは高速ハンドオーバーを実現する代わりに通信半径が2〜3キロに落ちてしまう。もちろん携帯サービスを考えた場合、後者のほうが向いていると考えられる。

 ソフトバンクの幹部が話していたのはコンセプトは、概ね「幅広い面のカバーは3Gにまかせて、特定のスポットではWiMAXによる高速通信を可能にする」というモデルだった。この場合のWiMAXは、IEEE 802.16-2004を指しているのだろう。

 もともとソフトバンクは、FMC(Fixed Mobile Convergence)に積極的だった。FMCとは簡単にいえば「無線ネットワークと固定網を融合させましょう」ということであり、もっと思い切っていえば「携帯とWi-Fiをうまく組み合わせよう」という意味合いで語られることが多い。

 ソフトバンクは、「ADSL開始当時からFMCを見据えていた」とアピールする。具体的には、ADSLモデムに無線LANモジュールを挿し込むスペースを用意していた。各ユーザーに無線LANパックに加入してもらい、無線LANカードが挿さったモデムにネットワーク側からソフトウェア更新を行う。するとある瞬間に「スイッチオン」で400万超のユーザーが「点在するアクセスポイント群」に変わる――。これがソフトバンクの主張するFMCの姿だった。

 ここから先は、ソフトバンクとしても明言していないので想像で補うしかない。ただ、普通に考えればYahoo!BBユーザーが同じユーザーの無線LANアクセスポイントエリアに入れば、そのアクセスポイントを利用して定額、高速通信を行えるというサービスになるのだろう。

 ここに、WiMAXが絡んでくる。Wi-Fiの通信速度はIEEE 802.11a/gでも最大54Mbpsだが、WiMAXなら最大75Mbpsまで実現できる。単純に考えて、より高速通信を行える。

 面白いのは、Wi-FiとWiMAXの組み合わせ方で、この幹部は“WiMAXを基幹網に、Wi-Fiを足回りに”使うような構想を口にしている。つまりWiMAXの基地局を離れた位置で立てていき、それを75Mbpsの無線ネットワークでつなぐ。各基地局のまわりにWi-Fiのアクセスポイント(ユーザー宅内のモデム)があり、メッシュネットワークを構築するという考えだ。幹部は「バックボーンをWiMAXで無線化するわけだ」と話していた。

 もちろん、上記で紹介した構想は非公式の場で話された「アイデアレベル」のものであることを断っておく。だが、3GとWi-Fi、WiMAXを融合させる1つの構想ではあるだろう。

 実は、先日イー・アクセスも記者懇親会を行った。ここで同社幹部が、WiMAXをどう使うのか発言している。こちらはモビリティ強化型のIEEE 802.16eと3Gを融合するもので、この方法論もなかなか面白いものだが、紙幅の都合もあるので続きは次回にしたい。

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