Bluetooth携帯で、ワイヤレスな通話と音楽再生を可能にするのが、モバイルキャストから登場予定の「mClip Audio3」だ。
BluetoothのAVプロファイルを搭載したアダプタ付きワイヤレスイヤホンで、携帯で再生した音楽をイヤホンへ無線伝送し、聴くことが可能。8月中旬に発売予定で、価格は1万5000円前後になる見込みだ(7月14日の記事参照)。実際に製品を試してみた。
mClip Audio3は、Bluetoothワイヤレスヘッドセットとワイヤレスアダプタがセットになった製品。実物を見ると、ヘッドセット部の送受信ユニット、トランスミッタ共に親指大で非常にコンパクトだ。
耳に装着する部分は、一般的なインナーイヤータイプ。発着信操作用のボタンもこちらに準備されている。ヘッドセット部には、音量調整ボタンやマイク、動作状態を示すインジケータも準備されている。
特徴的なのは、ヘッドセット部が2つのBluetoothプロファイルを同時にサポートす点。ハンズフリー(もしくはヘッドセット)プロファイルと、AVプロファイルの1つである高音質音楽伝送が可能な「A2DPプロファイル」をサポートしている。
ヘッドセット部は音楽再生時、A2DPプロファイルを利用しているが、携帯電話に着信があるとハンズフリープロファイルに自動で切り換えて着信を通知する。ここでユーザーがイヤホン部にあるボタンを押すと、通話が開始できる仕組みだ。通話が終了すると、ほどなくA2DPプロファイル側に切り換わり、再び音楽再生が可能な状態に戻るという仕組み。
もっとも、ヘッドセット部だけ準備しても携帯のワイヤレス音楽再生は無理。なぜなら、国内向けのBluetooth対応携帯でA2DPプロファイルをサポートする製品は、まだ存在していないからだ。
そこで、A2DPプロファイルをサポートするトランスミッター部が必要になってくる。製品は角型イヤホンマイクプラグを備えているので、アダプタなどを使用することなく携帯電話と接続できる。
注意する点は、携帯電話側がヘッドセット利用をサポートしている必要があること。トランシーバー部はあくまで“A2DPプロファイルでの接続”をサポートするだけで、ヘッドセットとしての接続はサポートしない。
したがって利用可能な端末としてはFOMA「F900iT」、au「W21T/W31T」、ボーダフォン3GのBluetooth対応端末の一部など、音楽再生機能とBluetoothハンズフリー対応機能の両方を備えた端末となる。
使い始めも、別に複雑怪奇という訳ではないが、ちょっと変わっている。ヘッドセット部は、2つのプロファイルを別々の機器と接続することになる。このためBluetoothの接続設定であるペアリングも、2度行う必要があるのだ。
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