アクセサリ機能の中で便利そうなのは、閉じたままでも使える「ストップウォッチ」「カウントダウンタイマー」「アラーム」の3機能だ。閉じたまま右側面のモードボタンを押して機能を選択し、「カウントダウンタイマー」では3つの設定(ユーザーが変更可能)を切り替えて利用できる。「アラーム」では設定済のアラームのオン/オフが行える。ストップウォッチも100分の1秒単位と本格的で、ラップ計測も行える。これらは、「G'zOne TYPE-R」「A5512CA」などカシオ計算機製の新製品と同様の機能だ。
ミュージックプレイヤー利用時の動作も適切だ。アラームやカウントダウンタイマーの設定時間になると通知が画面+効果音で行われ、ミュージックプレイヤーは一時停止状態になる。決定ボタンで一時停止位置から再生再開でき、BGMモードでは一時停止位置から再生が自動再開される。ただ残念なのは、BGMモードでアラームやカウントダウンタイマーの操作ができない点だ。できればBGMモードで音楽再生したまま使えればと思った。
W32Hは基本的には多機能さがウリの端末だ。AV機能とフルブラウザ+ドキュメントビューアーという組み合せは一見方向性が異なるが、実のところインターネット世代の10代後半から、最初のウォークマン世代とも呼べる40代まで幅広い年齢層がこの組み合わせを待っていたのではないだろうか。イメージをがらっと変えてしまうカラーリングも絶妙で、レビューに使用したソリッドシルバーはスーツにも十分似合う雰囲気だし、フロストグリーン、ラピスホワイトは若年層や女性にも受けがよさそうな、いかにも今時の携帯電話という雰囲気を持っている。
多機能性という意味では先行したW32SAと一長一短な部分もあるが、W32SAが「よくこれだけの機能を詰め込んだな」という印象なのに対し、W32Hは「よくこれだけの機能をスマートにまとめたな」という印象を受ける。重さでいえばW32HはW32SAに比べて3グラム軽いだけなのだが、パッと見ずっと軽快に見えるし、ぐっとスタイリッシュだ。
一言でいうなら「仕上げにもこだわった手堅い多機能端末」がW32Hだ。最近のカシオ日立プラットホームを利用したソフトウェアはクセが少なく使いやすいので、例えばデザインだけで買ってもそう後悔する人はいないだろう。カメラ機能も128万画素のCMOSだが、メールで送信するのが前提の日々のスナップ撮影程度なら必要十分だ。基本的にまとまりが良く、「迷っているならこれ買っとけば」と他人にも安心して勧められる端末といえる。
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