北京で開催された中国最大規模の通信・設備関連の展示会「PT/Wireless&Networks Comm China 2005」(PT Comm 2005)(10月21日の記事参照)。中国メーカーのW-CDMA市場参入もトピックだったが(10月25日の記事参照)、それ以外にもスマートフォンや、中国版PHSこと“小霊通”の最新機種など中国メーカー発の注目端末が複数見られた。
LenovoとAmoiからは、Windows Mobile 5.0を搭載したGSM方式のスマートフォンが早くも展示されていた。Lenovo「ET980」はオーソドックスなPDAスタイル。2.4インチのディスプレイは解像度320×240ピクセルで、背面に400万画素のCCDカメラを備えている。入力はタッチスクリーンのほか、取り外し可能なフリップ式のダイヤルキーパッドを装着することでキー入力にも対応。発売は11月で、価格はRMB 8000前後(約12万円)の予定だ。
Amoiの「E800」はストレート型ながら、横から開くとQWERTY配列のフルキーボードが現れるというNokia「Communicator」に似たスタイル。こちらもメインディスプレイは2.4インチ、320×240ピクセルのタッチスクリーンを搭載した。外部ディスプレイは、1.1インチ約6万5000色の有機ELとのこと。外部拡張はUSB/Bluetooth/microSDカードで、カメラはCCD 200万画素となっている。来年1月頃発売予定で、RMB 5000前後(約7万円)の予定。
中国版PHSである小霊通も、多数の新機種が展示されていた。ハイスペック端末やおしゃれ端末など、バリエーションも豊富になってきている。
小霊通の展示が一番にぎわっていたのはOK WAPブース。同社のイチ押し最新機種は“MP3小霊通”こと「OK818」だ。内蔵メモリは128Mバイトまたは256Mバイトで、ステレオヘッドフォンジャックを備えている。小霊通版SIMカードといえるPIMカードに対応しているが、PIMカードなしでも音楽プレーヤーとして利用することが可能だ。ここまで本格的に音楽再生に対応した小霊通はOK818が初めてで、会場でもステレオスピーカーを接続して音楽機能を大きくアピールしていた。また同社では約6万5000色液晶を採用した「OK616」、台湾で発売中のGSM/PHSデュアルモード対応端末「PG900」など多数の端末が展示されていた。
中国小霊通のトップメーカーであるUT Starcomブースには、さすがに興味深い端末が展示されていた。「PW200」はなんと、W-CDMAと小霊通に対応したデュアルモード端末。W-CDMA用のSIMカードスロットと小霊通用のPIMカードスロットの2つを備え、両者の同時待ち受けも可能とのこと。中国国内向けに発売予定であり、発売時期は中国の3G開始スケジュール次第とのことだった。中国では小霊通/GSMのデュアルモード端末の登場が噂されているが、3Gの開始時期によってはこのPW200のような小霊通/3Gデュアル端末が多数市場に登場する可能性もあるだろう。
また同社は高級感あるカラーリングに約6万5000色液晶を搭載したスライド式の「UT660」や、「女性のアクセサリ」(同社説明員)のイメージを出した「UT229」なども展示していた。
Amoiはスタイリッシュデザインの小霊通を展示。いずれも同社のGSM/CDMAケータイの筐体を流用したものだが、小霊通は「いかにも低価格」なデザインの端末が多かっただけに、携帯電話と同等のデザインの端末の登場はユーザーに歓迎されるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.