そろそろ新しい携帯に乗り換えようと、いろいろ探していたところ、目にとまったのがレノボこと聯想の携帯電話。レノボといえば、IBMのPC部門を買収したことで世界的な注目を集めたメーカーだ。せっかく中国にいるのだから、話題のメーカーの端末を試してみたくなり、レノボの「V806」を入手した。今回は、この端末をご紹介しよう。
V806を見ていく前に、まず中国の携帯の価格帯について説明しておこう。中国端末の価格帯は、低価格なものが800元(約1万1200円)以下、半ばの価格帯が800元〜2000元(2万8000円)、それ以上はブルジョワ機種──というのがだいたいの目安といえる。
ブルジョワ機種の中でもひときわ高価なのがスマートフォンだ。Nokiaなどの外国メーカーだけでなく、レノボを初めとする中国メーカーもスマートフォンをリリースしているが、現状ではまだ人気がない。中国人に聞いてみると、一般ユーザーには高すぎるという。現状では、高すぎる→売れない→普及しない→良さが口コミで伝わらない──といった状況下にあることに加え、携帯が盗まれやすいお国柄も手伝って、「無理しても買いたい」と思うものではないようだ。
筆者が購入したV806の価格は1200元(1元=14円換算で1万6800円)。中国人にとっては1カ月の給料並みの価格で、普及価格帯に位置付けられる端末だ。
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“中国メーカー期待の星”ともいえるレノボの携帯を、まずは写真で見てみよう。
V806は丸みを帯びたボディが可愛い、オシャレな端末だ。中国の携帯は2Gないし2.5Gが主流で、日本の3G端末より一回り小さい。本体の背面にあるディスプレイは、時間の表示や電話/メールの着信情報を表示可能だ。
メインディスプレイは今どきの日本の携帯に比べると小さく解像度も低い。キーレスポンスは、押した後に少々粘りつくような感があって反応がワンテンポ遅い。ちなみに以前使っていたSony Ericssonの携帯は、V806に輪をかけて反応が遅かった。その遅さに耐えかねたのが、レノボに乗り換えた理由の1つでもあるのだ。
製品には専用充電池2個と充電器、イヤフォン、専用シリアルケーブル、データ転送用アプリケーションCD-ROM、取扱説明書が付属する。中国では多くのユーザーがPCと携帯をつないでGM規格のMIDIの着信音やMP3、待受画像を転送するので、シリアルケーブルが付属している端末が多い。端末も多くがMIDIやMP3ファイルの再生機能を備えている。MP3の再生に対応したシリコンオーディオプレーヤーが真っ先に流行った中国だけに、携帯にもノンセキュア仕様のMP3やMIDIの再生機能が載ってくるのは自然な流れといえよう。
カメラの設定で撮影音が消せるのもお国柄の違いか。デフォルトでは「カシャッ」と撮影音が鳴るが、それを設定画面で簡単に消すことができる。筆者はまだ、中国で盗撮に関してのニュースは見たことがない。
ツール(工具)には電卓、英中/中英辞典、通貨変換機能、世界時間、カレンダー、目覚まし時計、世界時計、中国PCのキラーソフト「QQ」のケータイ版「移動QQ」のアプリケーションが入っている。“100in1ソフト”のような多機能がウケる中国だけに、こういったツール類はどのケータイにも内蔵されている。
デフォルトで入っている着信音はクラシックが主流だ。街中で聞く着信音も、中国人はクラシック好きなのか? と思うくらいクラシックばかりが鳴り響いている。最大音量は日本の端末に比べるとかなり大きい。中国では“電車やバスの中で通話を控える”という習慣がないため、車内でケータイで電話するのが当たり前。加えて車内で着信音を視聴ながら設定している人も少なからずいるので、大音量が好ましいというわけだ。
何となくV806の感触をつかんでいただけただろうか? レノボの最新ミドルレンジモデルは、フタを開ければ日本のPDC(2G)世代を彷彿とさせるスペックに、中国独自のテイストがミックスされたケータイだった。
Lenovo | V806 |
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方式 | GSM/GPRS 900/1800MHz |
サイズ(幅×高さ×厚み) | 48×90×22.5ミリ |
重さ | 88グラム |
通話時間 | 180〜200分 |
待ち受け時間 | 180〜200時間 |
内部液晶 | 26万色表示TFT液晶、128×160ピクセル |
外部液晶 | 26万色表示液晶、96×64ピクセル |
カメラ | 130万画素CMOS |
着信メロディ | 40和音 |
電話番号記録件数 | 500件 |
ショートメッセージ記録件数 | 300件 |
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