指紋認証とSymbian OSの搭載が特徴の「F902i」(「F902i」記事一覧参照)。これまでの富士通製ハイエンドFOMAは機能性重視の端末という印象が強かったが、F902iではデザインや質感にこだわった(11月22日の記事参照)。
ディスプレイは2.4インチの240×320ピクセル(QVGA)。キーは、若干上寄りに配置されており、片手で操作する場合でも本体のほぼ中央を持って操作できる。キータッチは少々硬めでストローク感に乏しい印象だ。
指紋認証センサーは、従来端末に搭載されたものと比べて小型化されている。ラインセンサー上を指でなぞるタイプで、筆者が使った限りでは指紋を誤認識することはほとんどなかった。指紋は最大10件登録でき、左右のすべての指を登録可能だ。
カメラは、記録画素数では携帯カメラの中でも最強クラスのオートフォーカス機構付き200万画素スーパーCCDハニカム(記録画素数400万画素)を搭載。カメラは底面に付いており、縦位置撮影時には意識して下のほうを持たないと指が写りこむことがあるのには注意が必要だ。
側面にあるAFボタン(シャッターボタンも兼ねる)を使うと、オートフォーカスが半押し操作で動作する。なお横位置撮影は基本的には開いた状態で行うが、カメラを起動したまま閉じれば、背面ディスプレイをファインダーとして利用できる。背面液晶は円形であり解像度も低いので、ファインダー向きではないのだが、被写体を中央に収めるような写真では十分役に立つ。端末を開いたままメールキーを長押しすれば、背面ディスプレイをファインダーとして利用できるため、アウトカメラで自分撮りをする際には便利に使える。
富士通製のハイエンドFOMA端末はF900i以降、指紋認証センサーと連動した高度なセキュリティ機能を特徴としてきた。個人情報の漏洩防止はもとより、「おサイフケータイ」など決済系の機能を携帯電話が備えるようになった中で重要視されるセキュリティ機能を、F902iではさらに強化している。
F901iSで採用された「開閉ロック」は、端末を閉じるだけでほぼすべての操作をロックする機能。端末を開くと指紋認証画面が表示され(指紋認証機能がオフの場合は暗証番号の入力画面が表示される)、指紋認証でロックが解除される。
例外もいくつかあり、例えば音声通話の着信時はロックを解除しなくても電話を受けられ、側面のキー操作でマナーモードのオン/オフが可能。またiモード問い合わせも行える。さらにロックがかかった状態でも指紋認証画面を終話キーで終わらせれば、待受画面に表示させたスケジュールや新着情報などの確認も行える。ICカードはロックされないが、これはおサイフケータイとしての利便性を考慮したものだろう。もちろん先にICカードロックを行えば、開閉ロック機能と併用できる。
F902iで強化されたのは端末を閉じた場合の確認機能だ。、ロックが有効になると背面ディスプレイにガイダンスが表示され、同時に背面インジケータが青く点滅し、ロックが有効になったことを確認できる。これは待受画面以外の状態のままで端末を閉じるとロックがかからないことに配慮したもので、この場合には背面のインジケータが赤く点滅して警告する。点滅に加えて効果音や音声による警告があるとさらに便利に使えそうだ。
ICカード機能は、右キーの長押しでICカード機能だけをロックできる。解除も右キーの長押しで行え、認証には指紋も利用できる。日常的にロックしておけば紛失や盗難時に金銭的な被害は防げる。
紛失時の対策としては、901iSシリーズから共通機能として搭載された遠隔ロック機能も備える。事前に監視時間と着信回数、3件の発信元電話番号を登録しておくと、登録した電話番号から監視時間内に設定した着信回数分電話をかけることでオールロックとICロック機能が起動し、事実上携帯電話として機能しなくなる。また発信元電話番号には公衆電話も発信元電話番号の1つとして登録できるので、手元に登録した電話番号の電話機がない場合でも利用できる。
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