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» 2005年12月16日 21時30分 公開

「若かりし日の千本氏エピソード」も〜イー・アクセス6周年パーティ

イー・アクセスの創立6周年パーティで壇上に立った千本氏は、自身の過去を振り返る。DDI時代や、イー・アクセス草創期を、写真も交えて紹介した。

[杉浦正武,ITmedia]

 イー・アクセスは12月16日、都内で創立6周年記念パーティを開催した。イー・モバイル発足記念を兼ねたもので、会場には多数の業界関係者が詰めかけた。スピーチのため壇上に立ったイー・アクセスの千本倖生会長は、過去の写真を紹介しつつ、これまでの歩みを振り返った。

Photo イー・アクセスの千本氏
Photo 会場となった都内ホテルは、大入りの盛況だった

 携帯新規事業者の1つとして、いまやモバイルブロードバンド業界で大きな注目を浴びるイー・アクセス。その創業者である千本氏は、安定した企業であるNTTを飛び出して第二電電の設立に参加したことで知られる。千本氏が“人生でチャレンジした瞬間”として、ことあるごとに言及するシーンだ。

 千本氏は一枚の写真をスライドに写し、右側に写っているのが第二電電(DDI)立ち上げの際に師事した京セラの創業者、稲盛和夫氏だと話す。千本氏は、当時既に財界の大物だった稲盛氏にビジネスプランを語ることで同氏を動かし、DDI設立に道筋をつけたと言われている。

 「稲盛さんも、この頃は髪がふさふさだ(笑)。真ん中にいるのが、元通産省官僚の森山(信吾)社長」。――そしてもちろん、左に写っている鋭い目をした男こそ、若き日の千本会長だ。「日本の通信業界に、風穴を開けようと思ってやった」

Photo 左からイー・アクセスの千本氏、DDI社長を務めた森山氏、京セラの稲盛氏

 DDI設立当初は、限られたスタッフしかいなかった。当時の社員といえば、「カレーをおごってやるから、といって勧誘した数人のチーム」。千本氏は、そのスタッフの写真を会場に示し、そのうちの1人をこう紹介する。

 「一番左に写っているのが、今と違ってスマートな種野晴夫社長(笑)」。現在イー・アクセスの社長を務める種野氏は、DDI時代に千本氏と苦楽を共にした仲間だった。2人の努力もあって成長した会社は、「いまや3兆円の売上を上げるKDDIの母体になっている」。

Photo 一番左が、種野氏。右から2番目が千本氏だ

 その後、千本氏は慶應義塾大学の教授などを務めていたが、やがて再び起業熱が高まりブロードバンド事業を手がけるベンチャー企業を立ち上げる。その際にタッグを組んだのが、ゴールドマンサックスのアナリストで千本氏が「ファイナンスの天才」と全幅の信頼を寄せる、エリック・ガンCFOだ。

 「当時エリックは30歳半ば。ゴールドマンのベストアナリストの地位を投げ打って、参加してくれた」。千本氏は種野氏とエリック氏を「家族同然、家族以上に大事なパートナー」だと話す。

Photo 千本氏とエリック氏

 千本氏が強調するのは、イー・アクセスはまったく独立した“まっさらのベンチャー”として創業したこと。虎ノ門のビルの一番安い一室を借りて、DDI時代のように数人のスタッフで事業を開始した。

 「この写真は、イー・アクセスのドアだ。アルミのドアで、手書きで『イー・アクセス』と書いてある」。部屋の中は内装があるわけでもなく、作業用の机が並ぶだけのガランとした空間。昼は人気がないが、NTTやKDDIの社員が夜中や土日にオフィスにやってきては働くという、そんな状態だったという。

 「DDIのときよりはるかに大変だった。ただ、苦しさと同時に楽しさがあった」

Photo 白い紙に、おそらくはマジックペンで「イー・アクセス」と書いてある
Photo なんとも殺風景な部屋だが、ここがイー・アクセスの原点だ

 千本氏はまた、一枚の写真を見せながらこれは新年会の写真だと紹介する。「(ベンチャーキャピタルからの)出資を仰ぐために、我々は700ページの英語の書類を作り、ニューヨークへ飛んだ。その後、『我々は必ず上場してみせる』と話しながら、ささやかながら新年会をやった」

 その後、イー・アクセスはADSL事業に取り組むことで成長を続ける。ブロードバンド業界の風雲児、孫正義氏率いるYahoo!BBがADSL業界になぐりこみをかけたときも、イー・アクセスは沈むことなく、逆にこれを追い風にして拡大する市場の一角を占め続けた。やがてイー・アクセスは、マザーズに上場をはたし、いまでは東証一部上場企業になっている(2004年11月17日の記事参照)

Photo 新年会の写真
Photo マザース上場のときの記念写真

 “成功した起業”の一例としてイー・アクセスは、ハーバードの教材にもなったと千本氏。ハーバードビジネススクールはケース・スタディ主体の授業で知られるが、日本企業としては楽天、ドコモと並び成功モデルとして授業で扱われているという。

Photo ハーバードのケーススタディ用資料

 当初、記者会見では「閑散としないように(報道陣の)サクラもかなり集めた」と笑う千本氏。しかし今では、同社が主催のパーティに700人が集まっている。そしてこれからも、イー・アクセスは移動体事業を含めてグローバルに発展を続けるのだと、千本氏は力強く話した。

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