「W41T」に搭載されたHDDの謎

» 2006年01月19日 20時08分 公開
[園部修,ITmedia]

 KDDIの「W41T」は、「MUSIC-HDD」の名で発売される、HDD内蔵の携帯電話だ(1月19日の記事参照)。国内初となる内蔵HDDの秘密に迫った。

Photo 東芝のHDDケータイ「W41T」の背面には、HDDのロゴが入っている。この下に0.85インチHDDが搭載されている

0.85インチの4GバイトHDDを搭載

 搭載されているのは、東芝が開発した0.85インチ(約2.2センチ)のディスクを採用したHDDだ。2004年1月に発表された(2004年1月8日の記事参照)このドライブは、「iPod」などで使われている1.8インチHDDの約4分の1のサイズで、容量は4Gバイト。SDカード並みの小ささを実現している。

初出時は1.8インチHDDが「iPod mini」などで使われている、とありましたが、正しくは「iPod」です。訂正します。【22:45 Update】

 このドライブを搭載したことで、W41Tはほかの音楽ケータイにはない、4Gバイトという広大な保存領域を獲得したわけだ。

 接続方式などの詳細は明らかにされなかったものの、miniSDカードのように外部記憶として扱われる。このため、「ハードディスクメニュー」が用意されていて、ほかの機種でminiSDにコピー/移動できるデータについてはすべてHDDに書き込める。

 USBマスストレージクラスにも対応しているため、PCとUSBケーブルで接続すれば、内蔵HDDにアクセスすることも可能だ。ただしPCから見えるのは512Mバイトの「PCフォルダ」だけで、残りの3.5Gバイトについては「セキュリティの関係上見えなくしている」(説明員)という。「着うたフル」などのデータが外部から容易にアクセスできる位置にあっては問題があるからだろう。つまり、着うたフルのデータなど、著作権の絡むデータは3.5Gバイトまでしか保存できない。残りの512Mバイトの領域については、カメラで撮影した写真や動画の保存、PC用の簡易外付けHDDなどとして活用できる。

耐衝撃性は従来製品より低め

 HDDは、シリコンメモリと違い駆動部品があるため、動作中に落下させたり、強い衝撃を与えたりすると破損してしまう可能性がある。この点を指摘すると、HDDの周囲を緩衝材で覆い、さらにその外側にシールドを施すことで保護しているという旨の説明があったが、HDD自体には特別な仕掛けはしていないとのこと。ただ「ディスクへのアクセスを減らすため、HDD上にあるデータの読み書きは、極力抑えるようにプログラムしている」(説明員)という。例えば音楽データを再生する場合、HDDから内蔵メモリに1曲分のデータをバッファリングし、再生中はHDDにアクセスしないようにしている。これは、後述するが、同時に消費電力の低減にも効果がある。

 また、片手で持ってボタン操作を行う機会の多い携帯電話は、落下するリスクが、HDDオーディオプレーヤーなどと比べても格段に高い。KDDIでもそれは認識しており、落下テストなどの実験は行ったそうで、「一般的なHDDオーディオプレーヤーよりも高い耐衝撃性を確保してある」(説明員)。ただ、やはりHDDを持たない従来の携帯電話ほど強くはないという。ちなみにHDDが壊れてしまった場合、修理(交換)してもらうことは可能だが、当然ながら中のデータの復旧はできない。

シリコンメモリに対するアドバンテージは?

 NAND型フラッシュメモリ(シリコンメモリ)の価格は、メモリオーディオプレーヤーの普及という追い風が吹いて、急速に低価格化が進んでいる。「iPod nano」のように、すでに4Gバイトのシリコンメモリを搭載したオーディオプレーヤーも発売中だ。そんな今、あえて4GバイトをHDDで搭載するメリットはあるのだろうか。

 明確な回答を得られなかったが「現時点でも、シリコンメモリを用いるより容量あたりの単価は安く、より大きな容量を確保できる」とのことだった。「より大容量のHDDを搭載した後継モデルが登場する可能性もあり得る」そうだ。ちなみに東芝は、1月6日に垂直磁気記録(PMR)技術を採用した10Gバイトの0.85インチHDDも発表(1月6日の記事参照)している。

 消費電力は、シリコンメモリよりは高いと考えられるものの、バッテリー容量は3.6ボルト880mAhと標準的で、特別大きいわけではない。しかし、HDDからの着うたフルの連続再生時間は、イヤフォン再生時で8時間、スピーカー再生時で7時間を確保している。さらに、Bluetoothを利用すれば12時間の再生が可能だ。バッテリー容量や搭載されている機能が異なるが、参考までに他機種での外部メモリからの音楽連続再生時間を挙げておくと、「neon」と「W41K」が8時間、「W41H」が7.5時間、「W41CA」が6.5時間、「W41S」と「W41SA」が5時間(いずれもイヤフォン再生時)となっており、W41TがHDDを搭載したことによるトレードオフは、サイズ以外は特にないようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月08日 更新
  1. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  2. 楽天ドライブに不正アクセス 1万5382件の保存データ閲覧、313件のパスワードも (2026年10月06日)
  3. 新コード決済「teppay」はどこで使える?  エキナカ施設からコンビニ、ファミレス、ECまで一挙案内 (2026年10月07日)
  4. モバイルSuicaのコード決済「teppay」10月20日開始 2万円を超えたチャージが可能に (2026年10月06日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. Xperia純正充電器がソニーストアから消える 今後は「出力30W以上のUSB Power Deliveryに対応した充電器の使用を」 (2026年10月07日)
  7. 【ワークマン】2900円の「撥水8ポケットショルダーバッグ」 13型ノートPCも入る収納力 (2026年10月07日)
  8. PayPay、11月以降の地域限定キャンペーン発表 東京や大阪で最大6000円〜1万2000円おトク (2026年10月07日)
  9. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  10. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【10月6日最新版】 モバイルSuica利用で600ポイント、交換レート35%オフも (2026年10月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー