ボーダフォン太田氏が示した、コミュニケーション新構想(2/2 ページ)

» 2006年03月01日 18時22分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 3D表示ということで、動作が重いのかと思ったが意外に軽快。「携帯ということで、軽いデータをやり取りできるよう注意している」。仮想空間のエリアは追加することも可能で、「別のストリートが新しくできたり、ダンジョンができたり……といったことも考えられる」という。

 ボーダフォンではこのサービスを「エンタテインメントと実用性を追求したもの」と話しており、単なるコミュニティに留まらない事業展開も検討している。「仮想店舗での買い物や、ゲームなどを考えている」(太田氏)

携帯版ブログや、メールの強化も

 もう1つ、アナウンスされたのがV-コミュニティ(仮称)。これは「いわゆるブログ、SNSのモバイル版」(太田氏)とのことで、「ノート」(仮称)と呼ばれるクローズドなWeb上での日記や、「みんなの部屋」(仮称)と呼ばれる有名人などのオフィシャルブログが提供される予定。ボーダフォンとして、みんなの部屋を通じて開発日記を提供する考えもあるようだ。

 「サークル」(仮称)を利用すれば、共通の趣味を持つユーザー同士で掲示板を通じた情報交換を行える。太田氏は、「人と人との心地よいコミュニケーションをサポートする」とうたっている。

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 携帯メールを強化した「フィーリングメール」(仮称)も紹介された。メールを開く前に受信者に送信者の感情を表示するというもので、着信音、アニメーション、バイブレーションやランプの色などと連動して感情を伝える。

 「メールを受信して、『怒っているな、このメールは読まなきゃ』といった具合に感情が伝わる。アバターが現れて、送信者になりかわって思いを伝えるといったことも可能だ」。既に提供されているNECの「感情お知らせメール」に近い発想だ。

Bluetoothはコミュニケーション路線の第一歩

 904SHから提供されるサービスの中で、Bluetooth対応の「ちかチャット」などのサービス(3月1日の記事参照)は、同社のコミュニケーション路線を具体的に示した第一歩だといえる。近距離のユーザー同士「軽くサクサクチャットできる」のが特徴で、Bluetoothの通信だから通信料も発生しない。

 「声が届く場所にいるのに、なぜチャットするのか」という指摘もありそうだが、ボーダフォン側としては若年層をターゲットにいろいろな利用法を考え出してほしいという。「不謹慎かもしれないが、会議中にめくばせしながらチャットするといった利用もあり得るかなと思っている」

 Bluetoothの対戦ゲームは、ちかチャットよりも利用シーンをイメージしやすい。対応端末を持ったユーザー同士が近寄って、サーバを経由せずに気軽に対戦できるものだ。海外では赤外線やBluetoothを利用した携帯ゲームがリリースされているが、国内市場ではこの種の取り組みは今ひとつ活性化していなかった。

Bluetoothで対戦しているところ。写真は「ピポサルアカデミ〜ア」(体験版)で、相手にグーやパー、チョキの形の弾をぶつけ合って戦う。ジャンケンの要領で、グーが飛んできてもパーを出せば弾を打ち返せる

 「ニンテンドーDSのように、無線LANを利用したコネクションを実現するマシンも出ている。携帯は常に持ち歩いているので、気軽に『たまたまいたからやってみようや』という状況もあり得るのではないかと思う」(太田氏)

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