ユビキたスは、ウィルコムの通信網を利用して位置情報を取得し、保護者の携帯電話、PHS、PCから行動履歴などが確認できる「どこ・イルカ」を4月6日から発売する。全国の量販店で取り扱うほか、どこ・イルカのWebサイトからも購入できる。本体価格は9980円で、別途契約時の事務手数料2800円が必要。位置情報確認サービスサービスは年額1万4800円で利用できる。
どこ・イルカは、ケータイ国際フォーラムでウィルコムブースにも展示されていた、子供を見守るためのシステムだ(3月17日の記事参照)。イルカの形をした端末を用いて、任意のタイミングで位置情報が取得できるほか、本機の最大の特徴である「登下校モード」設定時には、端末から5分ごとに位置情報を受信し、サーバに記録しておくことで、移動経路も確認できる。
この「5分毎の位置情報を取得する」点が他社の製品と大きく異なる点だ。特に危険性が高いとされる登下校時の子供を守るための機能で、端末にあるボタンを押して登下校モードに設定すると、もう一度ボタンを押して登下校モードを解除するまで常に位置情報を発信し続ける。このため、保護者は移動中の経路が確認できるほか、30分以上通信が途絶えた場合に通知する機能も備える。犯罪者に端末を破壊されたりした場合でも、直前までの移動経路が把握できるため、操作の手がかりにもなり得るという。
なお、登下校モードの切り替えは、子供が自分で行う必要がある。メールなどを用いた遠隔操作でモードを切り替える機能は、今回はあえて搭載していない。理由は「子供自身にも防犯意識を持ってもらうため」(土肥稔社長)だという。「学校に無事着いたときや、家に帰るときに常にどこ・イルカのボタンを押すという習慣を持ってもらいたい」
位置情報の確認は、主に携帯電話やPHSのメール機能で行う。1台のどこ・イルカに対して最大5台までの携帯電話かPHSが登録しておける。あらかじめ登録しておいたメールアドレスから空メールを送ると、端末から時刻と位置情報を記載したメールが来る仕組みだ。また子供がアラームを鳴らしたときにもメールが自動送信される。メールには日時とおおよその住所、そして地図を表示するURLが記載されている。PCから専用Webサイトにアクセスすれば、より詳細な地図なども参照できる。位置情報の精度は、都市部で誤差約70メートル程度、郊外では誤差約500メートルから1キロ程度となっており、場所の特定よりは移動経路の把握に重点を置いているという。
位置情報の参照があった場合、端末側でもそれを知らせるブザーが鳴り、緑色のランプが点灯する。子供が緑色に点灯したボタンを押すと、押したことを知らせるメールがさらに送信されるので、誤報の確認や、帰宅を促す合図などにも利用できるという。
メインターゲットは小学校の低学年、特に1〜2年生に据えている。また携帯電話などの所持を禁止している小学校の生徒なども想定しているという。ちなみにどこ・イルカは首からストラップで提げるか、ランドセルに取り付けて利用する。
将来は指定したエリアから出た場合などに通知する機能なども実装していく予定だ。また、システム自体はCSCのMyAccessサービスを利用しているため、端末さえ変えれば老人向けの見守りシステムや車などにも応用できるという。今後は子供向けのサービス以外にも事業領域を広げていきたいとのことだった。
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