孫氏が「Vodafoneと提携」で描くシナリオ(2/2 ページ)

» 2006年05月18日 18時01分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 ボーダフォンが不振に陥った原因の1つが、海外仕様のユーザーインタフェースを備えた端末をそのまま国内に持ち込んだことだと言われている(4月18日の記事参照)。この点は、孫氏も認識しているようだ。

 「ボーダフォン日本法人はある時期、グローバル仕様ということで日本のマーケットのユーザーニーズを十分くみとっていない端末をたくさん出した。ただそれは(会場に同席する)ウィリアム・モロー氏が日本に戻る前の話だ。モロー氏は『これは問題だ』ということで、状況を改善した救世主であり、同氏が改善した端末がやっと今年あたりから販売され始めている」

 孫氏は、その国の文化にあった端末を出すことは重要だと強調。携帯端末も、国ごとの多様性を認めるべきだと話す。「(ハードウェアの)マザーボードのレベルでは世界的に共通化できるものでも、ユーザーインタフェースであるとかソフトウェア、キーの操作性などはそれぞれの国のユーザーに最も適したものを用意すべきだ。“コア”とその上の2つのレイヤーに分けて、上のほうはそれぞれの国にあった事情で最適化する」というイメージを描いているという。

 横からウィリアム・モロー氏も「国ごとにユーザーが求める要素は異なるので、共通プラットフォームを利用したからといって世界共通の端末をリリースするわけではない」と言い添えた。

日本発コンテンツと、海外発コンテンツの融合

 3つ目の狙いは、コンテンツを共同調達して配信すること。孫氏は日本には「任天堂さんやソニーさんが関わった、優れたゲームソフトがたくさんある」と話す。同時に、ソフトバンクは“ライフスタイルカンパニー”を標榜しており、インフラレイヤーだけでなくコンテンツのレイヤーでも多くのグループ企業を抱えるとアピールする。

 「これを携帯にも活かせる。一方でVodafoneグループが調達していくであろうコンテンツ、つまり世界的なスポーツ(映像)や音楽、ドラマ、ニュースやドキュメンタリーといったものは日本の我々も活用したい。双方ともに協力し合える点が大きい」

 コンテンツは世界中に配信するのだとした。

本当に上手く提携できるのか?

 今回の合弁会社は、出資比率が50:50となりどちらが主導権を握るのかが分かりにくい。会場からは、両社の思惑が調整できず、思うように事業を進められないのではないかとの懸念も指摘された。

 孫氏は、両グループの信頼関係は非常に強く構築できていると反論する。「ジョイントベンチャーでは最初、CEOをモロー氏にやっていただき、私はチェアマンを務める。2年目は交代がいいかな、というような話をしているところだ」

 同氏はまた、デジタルコンテンツの流通プラットフォームはまったく新しい分野の取り組みであり、既存のマーケットを2社が取り合うような事態にはならないと主張する。ソフトバンクが主に国内で事業展開し、英Vodfoneは欧州を中心に事業を行うこともあって利益相反することはないとした。「50:50の出資比率でも、十分やっていけるとお互い思っている」

噂の「iPodケータイ」は?

 ソフトバンクの携帯事業をめぐっては、Appleブランドの「iPodケータイ」が登場するとの報道もある。孫氏は会場で、「憶測にすぎない」と改めてコメントした。

 「ハードウェアはさまざまに開発を進めている。一部で米Apple Computerとどうのこうの……と憶測記事があったが、これは完全な憶測にもとづいたものであり、私どもはそのような憶測には一切コメントしない」これはソフトバンクとしてのポリシーであり、今回もその主義に沿って対応したいという。

 孫氏はまた、国内あるいは海外のメーカーとさまざまな端末開発の話を進めたいと付け加えた。


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