インタビュー
» 2006年06月05日 01時00分 公開

W44Tが目指した「ワイヤレスミュージックのかっこよさ」開発者に聞く「W44T」(機能編)(2/2 ページ)

[園部修,ITmedia]
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au向け端末で初めて回転2軸ボディを採用した理由

Photo 株式会社東芝 デザインセンター 情報機器デザイン担当の宮路太平氏

 Bluetooth機能だけでなく、au向けの東芝製端末としては初めて回転2軸ボディを採用したのもポイントだ。回転2軸のヒンジを組み込みながら、ボディの厚さを人気のカシオ製端末「W41CA」より1ミリ薄い21ミリに抑えている点などにも注目したい。

 回転2軸方式を採用したのは、幅広いユーザーに受け入れられる形を目指したからだという。2.6インチの大型QVGAディスプレイを生かして撮影できるカメラ機能の使いやすさや、標準搭載した「PCサイトビューアー」や「PCドキュメントビューアー」の便利さなど、オーディオプレーヤー以外の部分にも力を入れて開発している。

 「“使いやすさ”は常に意識している」と宮路氏は話す。例えば2.6インチのディスプレイは、単純に大きいものを載せたわけではない。同じサイズならワイドタイプの液晶よりも1ドットが大きくなるので、極小サイズの文字でも見やすいし、通常サイズのフォントは従来よりさらに視認性が向上するというメリットがあるからこそ搭載した。右側面には上下キーや決定キー、クリアキーに相当するキーを用意し、ビューアーとして利用する際にも簡単に操作ができるよう配慮している。

 ボディの厚さを21ミリに抑えたのも、東芝ならではのこだわりがあった。東芝はこれまでau向けに厚さ20ミリの「W31T」や21ミリの「W32T」など、薄型の端末をリリースして人気を博した。そのときの印象から、東芝端末は薄い、というイメージを持っているユーザーが少なからずいるという。

 山崎氏は「使い勝手を考え、回転2軸で行くことが決まった。しかし回転2軸で厚さ22ミリを実現している機種はすでにあった。だからこそ、W44Tでは薄さの限界に挑戦した」と振り返った。開発当初から目標を21ミリに据えており、「社内では“うスイベル”(薄いスイベル)を実現しようと話していた」という。

Photo 薄さの限界に挑戦し、回転2軸型の端末としては最薄の21ミリを実現した

瞬時に電波をつかむ「ベスコネ」など、細かな部分も機能アップ

 もちろん、W44Tが優れているのはその使い勝手や薄さだけではない。2006年1月に発表したHDDケータイW41Tは、4Gバイトという大容量のストレージを持ち、充実した音楽再生機能を装備していたものの、「PCサイトビューアー」「PCドキュメントビューアー」は非搭載で、赤外線ポートも持たず、外部メモリにも非対応と、何かと制約があった。しかしW44Tでは、音楽データだけでなく、あらゆるデータを保存できる1Gバイトの内蔵メモリを搭載したうえで、外部メモリとしてminiSDに対応。「PCサイトビューアー」「PCドキュメントビューアー」を標準装備し、赤外線ポートも用意した。

 W41Tではあまり評判のよくなかったカメラ部分にも改良が加えられている。例えば、絞りを絞ることで被写界深度を広げ、強引に至近距離の撮影に対応していたマクロ機能は、レンズユニットの横に切り替えスイッチを用意し、きちんとマクロ撮影ができるようにした。撮像素子にはCCDの画質の高さとCMOSの消費電力の低さを併せ持つ「MOS系のセンサー」(東條氏)を採用した。同様の特徴を持つセンサーに、松下電器産業製のνMaicoviconがあるが(2004年2月13日の記事参照)、おそらくそれと同等のものではないかと思われる。

PhotoPhoto 赤外線ポートやマクロ切り替えスイッチの搭載など、細かな部分でも機能アップを果たしている

 また、今までありそうでなかった便利な機能として、「ベストコネクト」機能を紹介しておきたい。これは圏外から電波の届く範囲に入ったときに、発話キーを長押しするだけですぐに電波をキャッチできる機能だ。例えば地下鉄に乗っていて、駅で降りたのになかなか圏外の表示が消えず、イライラした経験のある人は多いはず。このベストコネクト機能なら、そのイライラが瞬時に解消できる。

 「端末が圏外から圏内に移動したときでも、現在のシステムでは最長20秒程度圏外の表示が消えない場合がある」と東條氏。ひたすら画面を見ながら待つ20秒はとても長く感じられる。地下鉄が駅に停車した一瞬の間にメールを送受信したい場合などに重宝するだろう。ちなみにこの機能、かつて東芝製のPHS端末に組み込まれていたことがあり、「ベスコネ」として知る人ぞ知る機能だったが、今回東芝からKDDIに提案してW44Tに搭載したのだという。

 華々しく登場したコンセプトモデルの「ウォークマンケータイ W42S」「G'zOne W42CA」と比べると、どうしても3番手に位置づけられてしまいがちなW44T。しかし、店頭で多くのユーザーが手に取りそうな機能とデザインを備えているという点では、W44Tもコンセプトモデルの2機種に負けてはいない。

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