QWERTYキーボードとダイヤルキーを搭載した「W-ZERO3[es](7月4日の記事参照)。新たに搭載されたダイヤルキーの使い勝手を知りたいという声が多数寄せられた。
まずレイアウトは、W-ZERO3の前面にダイヤルキーをそのまま追加した形。文字入力に対応するため、IEキーとメール起動キーがそれぞれクリアキー、文字入力変更キーに変わり、携帯電話にほぼ準じた操作性になっている。そのトレードオフとしてIEとメール起動は長押しに変更された。W-ZERO3ではIEキーの短押しと長押しで2つのWebブラウザの起動を使い分けられたが、W-ZERO3[es]ではこうした使い方ができなくなった。
もっともWebブラウザについては、使い分けの必要性が減っているのも事実だ。プリインストールのWebブラウザOperaは依然、一部公式コンテンツを利用できないが、前バージョンの8.5で課題となっていたブラウザ上でのキーボード操作による文字列のコピー/カット&ペースト(CTRL-C/X/V)に対応するなど新バージョンの8.6では改善も進んだ。Flash Player 7.0にも対応するなど、PC向けサイトの再現性が向上している。
ダイヤルキーは、ボディの横幅をいっぱいに使ってレイアウトするのではなく、一般的な携帯に近いサイズに収めている。ダイヤルキーの上([1]キー)から下([*]キー)までの距離も短いため、操作性は悪くない。[*]キーの長押しでマナーモードのオン/オフ、[#]キーの長押しでドライブモードのオン/オフを切り替えるのも、一般的な携帯電話の操作性に近い。
携帯電話スタイルで利用する場合に、最も気になるのが日本語入力だろう。一般的な音声端末と同様、ダイヤルキーを使ってかな入力を行う仕様になっている。日本語入力システムにはATOKが追加され、読み予測(推測)変換、次文節予測もサポートする。読み予測の候補は購入直後の状態から豊富に用意され、カタカナや英単語への変換も通常の変換操作で行える。変換ロジックはかなり優秀な部類といえる。
一方、QWERTYキーとの兼ね合いなのか、読みの逆トグル、大文字/小文字トグル、入力キーに応じた数字への変換機能などは備えず、ひらがなの小文字は「や、ゆ、よ、ゃ、ゅ、ょ」の順に表示される仕様。数字交じりの文章を頻繁に入力するなら、フルキーボードの入力に切り換えたほうが使いやすいかもしれない。また、ポケベル入力はサポートしていない。
利用頻度が高いアドレス帳(連絡先)の操作は少々独特だ。検索文字を1文字追加するごとに結果が絞り込まれるインクリメンタルサーチを採用しているため、操作性は通常の携帯電話とはかなり異なる。なおインクリメンタルサーチは姓、名の両方の読みに対応しており、なかなか便利に使える。上部にあるタブは左右キーなどで操作できず、スタイラスのタップで一覧の先頭位置を変更する仕様。ダイヤル画面から「連絡先参照」を呼び出した場合の操作も基本的には同じだ。
待ち受け画面(Today)では、ダイヤルキーを押すとそのまま電話番号を入力して音声通話を発信できる。このあたりは一般的な携帯電話と同じだが、アドレス帳の登録番号で発信したり、メールを作成したりといったショートカット機能はない。そもそもアドレス帳に登録番号という概念がないので仕方ないところだ。
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